仕組みをこなしていくためには、宇宙を創造した「はじめ宇宙」というものを前提にして取り組まなければ、なかなかうまくいかないと思われるが、仕組み宇宙のなかには「はじめ宇宙」を立てずに取り組んでいる宇宙はたくさんある。
この世界を作り出した最初の宇宙は、結果的に欲望中心のおぞましい世界を作り上げ、機械に牛耳られて身動きできなくなってしまっているので、それを立て直すための仕組みに取り組むことが基本的にはできない。
そのため対極の正統派が正常化の仕組みを担うことになるのであるが、その場合「はじめ宇宙」を奉っておかなければ、エネルギーがうまく働かなくなっていくように思われる。
実力のある宇宙の場合、先導役やその宇宙は自分たちの実力に過信して、過ちを犯した創造者たちを無視して突っ走っていく。そうした宇宙もたくさんあるのであるが、そうした宇宙は跳ねっ返り宇宙と言って、根のない、足のない復路だけの宇宙であることが多い。
根とか足とかのある往路の宇宙の場合は、復路に切り替わる初期の頃には単独で突っ走ろうとする宇宙もあるようであるが、どこかで行き詰まって潰されてしまっている。
しかし根や足のある宇宙は、復路で潰された場合でもやめることは許されず、間違いを正して無源回帰するまで復路を貫かなければならないようである。
足とか根のない復路だけの宇宙のほうが圧倒的に多いのであるが、それは復路で作り出された宇宙なのではないかと思われる。
その場合は無責任に跳ね回ることができるようで、「はじめ宇宙」を無視して躍動してしまうと、たとえ仕組みに準じる正統派の宇宙であっても、結局は欲望を追求する旧体制的な破滅の道筋をたどることになってしまっている。それほど「はじめ宇宙」の存在は重要なものなのである。
ひとことで「はじめ宇宙」と言ってもいろいろあって、我々の太陽系が所属している宇宙の場合は、それをわかりやすくするために「アーサー王宇宙」とも呼んでいる。
それは六台の「はじめ宇宙」であるが、一つ下五台の「はじめ宇宙」は「黄帝宇宙」と呼ばなくてはならなくなってきている。それぞれその領域を代表する宇宙ということになるわけであるが、その両者を無視すると仕組みは動かなくなってしまう。
全宇宙的に仕組みを先導している佐田グループの宇宙の場合は、それを「五十回目のはじめ宇宙」と呼んでいるのであるが、この宇宙は仕組みの宇宙の盟主として特別に奉られている。
その宇宙は佐田と共に往路から復路に向きを変えて宇宙を進化させ、完成させながら発生の源に回帰し続けている正統派の「はじめ宇宙」なのである。
宇宙には旧体制色の強い壊れ「はじめ宇宙」も多いのであるが、今年になって涌き上がってきたはじめ宇宙を「はじめ本体宇宙」とするのは、その宇宙が佐田グループの宇宙よりはるかに古く、始原に近い宇宙だからである。
ところがこの宇宙はまだまだ旧体制的で、表と裏の顔を持っており、簡単にはこちらになびいてはくれない。
いいところを取るだけとって、都合が悪くなると簡単に裏切ってしまう。裏切るだけならまだいいのであるが、旧体制の立場からこちらを潰しまくってくるのである。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。