仕組みが進化し続けている。進化ばかりではなく深化でもあって興味深いかぎりではあるが、古い宇宙の沈み込んだ過去の廃墟の底へ入り込んでいくため、かなり厳しい浄化活動を強要されている。
時には気持ちの悪い化け物を相手にしなければならないこともあり、慣れているとは言え楽な仕事ではない。しかし他にやれる宇宙がないということであれば、やれるところまでやり抜くほかはない。
本来ならば既に我々の仕組みの課題は終了していて、次の世代に引き継がなくてはならない段階であるように思われる。しかし引き継ぎ手がいないために、ここでとめるとせっかくの成果がなくなって、へたをすれば元の木阿弥になってしまう。
行き着いて沈み込んでいる旧体制の宇宙を引っ張り上げ、宇宙を進化させて発生の源に帰り着くまでの道筋をつけたという、過去に事績のない成果をあげているというところが評価されてのことなので、それなりの対応をしなければならないわけではあるが。
月例会以降の今回、また新しい領域に入り込んだのであるが、それがいったいどれぐらい昔のどんな世界であるかもわからない、言って見れば未知の領域なのである。
冒険家とか探検家であれば、そうした課題に欣喜雀躍するかもしれないが、長い間報われない仕事を続けてきた者にとっては、もうくたびれ果てて交代してほしいと願わずにはいられない。そう言い続けてここまで来たのであるが、引き継ぎ手が現れないまま、早い者勝ちにどんどん源へ回帰されてしまうと、不平不満を言い募ることにも飽きてしまう。
そしてそれならとことんやってみましょうということになるわけであるが、そうなればなったで今度はそこまでやられると癪に障るとばかりに、悪逆非道のかぎりを尽くして責め立ててくる者が姿を現す。
それがなければ楽で誰にでもできる仕事ということになるのであるが、悪のかぎりを尽くして責め立ててくる組織を相手にしなくてはならないところに、この仕組みの仕事の難しさがあるのである。
会員諸氏にはこうした仕組みの直接の接触がないので、物足りなさとかじれったさがあるのであろうが、実際問題としてはないほうがずっと楽である。
こうした課題が公平に扱われていくことになれば、それはそれでみんなの納得も得られるのではあろうが、そうなればなったでどれだけの者がその課題をこなしていけるのだろうか。そこらあたりに仕組みの課題があるらしく、長い過去の実績が問われてもいっての調整であるとしか考えようがない。
宇宙には仕組み働きをしている者がたくさんいて、総合先導役をやりたい者もわんさといる。にもかかわらず交代してもらえない現実をどうすればいいのかと、毎日のように考えるのであるが、いい知恵が浮かばないし、いい結果も現れない。
今月はそうしたよどんだヘドロにまみれたような文章になってしまっているが、それだけおぞましい領域に入り込んでいるためである、そんなふうに受け止めてもらえれば幸いである。
終りのない世界があり、終りのない仕組みがあり、そして今月も終りのない我々の活動がある。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。