第一回目の佐田祭りが旧体制領域で行われた。七月二十五日のことである。旧体制側にとって総合先導役の佐田ほど邪魔な存在はないらしく、日ごと月ごと年ごとに佐田に対する悪逆非道は激しくなってきている。
こちらとしてはそれに対してどう対応していいのかもわからない状態であるが、一方的に押しまくられているだけでは芸がないので、せっかくだから今回はあふれかえる佐田に対する負債エネルギーを使って、盛大な佐田祭りをすることにした。
ここにきてウイルスやカビ類が旧体制の廃液領域でうごめく生存者達であることがわかってきているが、その膨大な数の旧体制メンバーを正常化させることはとてつもない難題となってきており、その対策に皆が頭を抱えている状態なのである。
そのこともあり、こちらに対する妨害があまりにも激しくてわずらわしいので、今回冗談半分に佐田祭りをしようと呼びかけたのであった。
七月二十五日は会報の締切日であって、その日はいつも事務所に出かけて仕事をする慣例になっており、その準備をしていたのであるが、いつものことながらそれを徹底的に妨害しようとしてきたのであった。
東京行きを潰した勢いで、再び自宅に軟禁してしまおうとする悪逆非道なのであったが、そのまま押し込められてしまうわけにもいかないので、それを何とかしようとしているうちに、夏祭りではないけれども、佐田祭りをしようという言葉が口から出てしまった。
もちろん冗談半分なのであるが、いつも冗談から何かが生まれることになっているので、それが実現し始めたときには楽しくなってしまったのだった。
膨大な佐田に対する負債をどう処理していいのかわからない状態が続いているので、それをふんだんに使って盛大なお祭りにしようと申し出たのであった。
もちろん旧体制側に異論があるわけはなく、すぐさまお祭りが始められたのであるが、それが膨大な廃墟の色地獄領域に広がっていき、とてつもなく華やかな佐田祭りが成立したのであった。
もちろんそれに反発して抵抗するグループもあるわけであるが、そうしたグループも盛大な佐田祭りに無関心でいられるわけもなく、浮き足立って覗き回ったりし始めたようであるが、今まで通りの感覚で妨害し始めると、自分たちが腐ってしまう現象が起こるのだそうで、妨害者たちとしても困り果てる状態になっているのだそうである。
当然と言えば当然のことであるが、問題はそうしたことがどの程度通用するかというところにある。
新体制の宇宙を盗み、乗っ取ってしまうのが旧体制側の手法であるが、こちらの使うエネルギーが総合先導役に対する膨大な負債であるということになると、その扱いはかなり難しいものとならざるをえないはずである。
旧体制側のメンバーが佐田祭りを受け入れて大喜びをしている以上、それを拒絶することも壊すこともできず、お手上げ状態になっているのが当日の早い段階での状況ということになっている。
こうしたことは仕組みの実体のわからない方々には無意味で馬鹿馬鹿しいことかもしれない。しかしこちらにとっては無視できないほどの大きな効果のある出来事なのである。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。