02.求道のあかし

求道のあかし 平成29年2月1日

古い宇宙が新しい世界に生まれ変わり続けている。今年に入ってそのことの実感が仕組みの進展とともに大きくなっている。

往路の古い歪んだ形の世界が、復路で正しいものに作り直されて完成され、その新しい宇宙を生き終えた宇宙のメンバーが、大喜びで発生の源に帰っていく。

それは仕組みメンバーにとってはめくるめく夢の実現であり、長い苦難の果てに到達した成果である。

 

欲望を追求し続けて魔的に歪み、機械化して自然を失い、色地獄に落ち込んでうごめき続け、結局は狂い死にし、飢え死にし、無限の源を食い荒らして破滅し、そしてゴミヘドロとなって果てしなく落ち続けていった宇宙が、少しずつ引っ張り上げられ、表の世界によみがえり、そしてもがき苦しみながら更生し続けて、新しい世界へと生まれ変わっていく。

 

その過程は無限の時間を使って続けられてきたに違いないが、使い古された無尽蔵の廃墟の領域から観測してみると、往路の過去の長さは復路の行程など問題にならないほどはるか彼方へと遠ざかっていく。

 

とてつもない時間と膨大な空間を費やして復路の新世界は完成されているが、それが発生の源へと回帰していく領域は、たとえそれがどれだけ大きなものとなって拡大し続けていこうと、使い尽くされた廃墟の領域と比較してみると、ほんのホコリの一粒だけでしかないように思われる。

 

往路から復路に向きを変え、世界を完成させた新体制宇宙は、今年に入って急速に速度を上げて無源回帰し続けている。

その勢いはとてつもなく強く激しいものであるが、それはおぞましい形で生き終えて、帰ることもできずに無惨に沈殿したまま動けなかった旧体制宇宙の、源回帰へ思いの強さを現しているに違いない。

 

しかしそれは破滅した旧体制世界の再生を伴っているため、魔的でおぞましい無秩序無ルールの悪逆非道のエネルギーもまた復活してくることになる。正常化の作業を続けている仕組みメンバーにとって、それとの戦いはとてつもない難行苦行となってくる。

発生の源へ帰ろうとする宇宙は、現在から見れば往路をそのまま帰ろうとして潰れたものも多く、無駄な作業が延々と続けられた過去があったことがわかる。

 

そうした宇宙はよみがえると世界を作り替えることなく、再びその古い道から源へ帰ろうとするのであるが、そうした宇宙はどうあがいてみても成功しない。

結局宇宙は世界を完成させないかぎり帰れない、そんな構図になっていることがわかるのである。しかし、その長さや広さのなんと膨大であることか。

 

世界を完成させて無源回帰し始めた今、その喜びは深いものであるのだけれども、現段階ではその行程がいつ終了するのかの見通しは全くたってはいない。その長さも広さも果てがないとしたら、そのことに我々は耐えられるだろうか?

 

そんなことまで心配になってしまうくらいこの宇宙や廃墟は超弩級である。そうした超越感覚のエッセンスヘドロやエネルギーや諸力など、それはウイルスやカビ、あるいは宇宙塵のようなホコリがしゃべり始める感覚でもあるのだが、そうした領域に入ると、なおさらそうしたことに思いが向かうことになってしまう。

 

この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。




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