無限が機械宇宙のゴミで充満されている、そんなイメージを思い浮かべることができるであろうか? 仕組みはそうした領域にまたまた突っ込んでいってしまった。
仕組み宇宙が融合合体して大きくなっていくにつれて、旧体制側もそれに合わせて拡大されていく現象が起こるのであるが、今回またそうした節目を迎える段階を経過した。
その段階でとてつもない大きさのゴミ捨て場の整理をさせられた。我々の膨大な新宇宙と同規模のゴミ捨て場五千億個の整理をさせられたのである。その中に面白いものがあったので紹介しておこう。
それは膨大な書物倉で、そこにはおびただしい書物が詰まっていた。それを処分しなければならないのだけれども、それをさせまいと著者がわんさと出てきたのであった。
それは象牙の塔の住人とでも呼ぶしかないようなご立派な学者ばかりで、おびただしく並べられた書物のタイトルは、さっぱり理解のできない難しいものばかりだった。
使い古しの宇宙を無限の底に捨て続けてきた宇宙の過去がそこにはあるのだけれども、掃除することよりも温存することを選んだ過去の宇宙の姿がそこにはあったのである。
もちろんそこにはもっと別のゴミ宇宙も五千億まとめられてあったが、我々の生きている宇宙と並べ立てられると、ゾッとする現実であった。
それはそれとして、そこを越えて仕組みは新しい領域に拡大していったのであるが、そこには思いがけない展望が開けていく世界が待っていた。
今までは無限に詰まっている廃墟宇宙ばかりを意識させられていたのだけれども、そこには発生の源から吹き上がっている膨大な宇宙エネルギーの本流が流れていた。
我々の宇宙はそのほんの支脈にすぎず、その元に繋がると、廃液ではなく純度の高いまっさらなエネルギーを感じることができるのだった。
そして勢いよく流れているエネルギーの行く先々には、たくさんの生きている宇宙が枝分かれして生きており、発生の源のほうには果てしのない無限が繋がっているのが確認されたのだった。
膨大な宇宙の外には暗黒の無が広々と広がっており、やっと本来の無に到達した感があった。
既にそうしたものは機械にすべて食い尽くされてしまっていると宣伝されていて、皆がほとんど絶望的な思いの中に浸されて、いつ終えるともないゴミ掃除の苦役に堪え抜くだけの状況だったものが、そこで一気に逆転してしまったのだった。
その膨大な宇宙図は初期の段階で示されていたものではあったのだけれども、仕組みが進行していくにつれてその全体図がかき消されてしまって、直接的な狭い範囲の廃墟ばかりに対面させられ、終わることのない感じの作業が続けられてきたのであった。
ところがここにきて突然その全体図が現れてきて、これまでの下積みの作業が膨大な全体領域へと発展していったのであった。
それは魅惑的な展望であり、機械に潰されてはいない世界もありそうだし、我々の宇宙体系とは違う世界もあるように思われた。何よりも喜ばしいことは、我々の新体制宇宙を生き終えて源回帰した宇宙やメンバーが、真の源に帰れるという現実であった。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。