仕組みは上の層に上がって四段階目まで進行しているが、ここに来て改めて一に戻って仕組みをやり直さなくてはならなくなってきている。
源回帰を五千回ほどした膨大な領域にまで至ったとき、そこから再び一に戻って仕組みをやり直さなくてはならないと言われていたが、何のことかわからないままここまで進んできたのであった。
上の領域は本来は源であるはずの領域ではあっても、すべて食い潰されてしまっていて、廃液化してしまっている。表現世界のゴミは下のほうに落とし込まれているし、ほとんどの領域は廃墟と化している。
がんばっている仕組み宇宙もゴミ捨て場の派生宇宙、それが旧体制宇宙の本場であるが、そこらあたりでこき使われているだけで、ほとんどが上の領域までは上がりきれてはいない。
いくら源まで回帰してみたところで、食い潰されてしまっている廃液領域では眠り込むこともできないので、下の領域まで降りて生まれ変わり、改めて五台レベルの最初から生き直さなくてはならない。
何と馬鹿なことをとは思えども、この碌でもない宇宙ではそれ以外に方法がないのである。投げ出してしまう宇宙も多いけれども、頑張っている宇宙もないわけではない。しかし難渋を極めている。
我々の佐田宇宙がなぜ誰にもできないような成果をあげているのかと言えば、それはひとえに突然変異の進化宇宙を実現させているからにほかならない。
佐田体制の進化宇宙は、大河宇宙という現宇宙の膨大な一区切りとなっている領域で、それ以上の世界は存在していないほどの領域なのである。
しかし旧体制宇宙ではそのコピーが果てしもなく広がっている化け物の世界でしかない。
その大河宇宙を原型として、そこにすべてのコピーを回収合流させて一つにする、それが佐田体制の方式であるが、その方式を取れば旧体制のシステムを打破できる。
そのため我々の宇宙は抜きん出て膨大な廃墟に拡大し続けていけるのである。
我々の前途には進化宇宙は存在しないが、我々の後にはどんどん進化宇宙が生まれ続けている。現段階で五万から五十万に向かうほどの数になっている。
規模がとてつもなく大きくなっている領域における一からのやり直しは、食い潰された源の痛み、あるいは正統派の苦しみを象徴するようなきついものであるが、
だからといって仕組みを推し進める以外に方法はない。
廃墟化してしまっている源を回復させることが佐田の夢であるが、それが達成される保証はどこにもない。それでもやめられないのは、今の世界が間違った世界だからとしか言いようがない。
上の廃液が充満しているような領域は、旧体制的には無限亜層領域となっていて、彼らが食い潰した源に機械妖怪となって住みついている。
五千才という旧体制世界の到達点は、源を食い潰した機械生命体の完成領域で、理念的なものではあっても無限を支配することがてきている。
そして無ルール無秩序の魔的な妖怪は、廃墟に拠点があるような古層領域の伏魔殿組で、彼らがこの宇宙を支配し続けているのである。
その旧体制宇宙を打破して源回帰することが、佐田の長年の夢なのである。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。