総合先導役の佐田靖治には二人の子供があったことは、著書「子神たち」に書いておいたことであるが、その子供達が立派に成長していることをここで報告しておこう。
「子神たち」では金龍姫と羊蹄姫が佐田達の子供であると主張して譲らなかったことを書き記しておいたが、佐田はそれを決して認知しなかった。人間感覚として不自然だったからである。
金龍姫と羊蹄姫は佐田達の子供になるはずであった人間の親神として設定された神の子であって、決して人間の子ではなかった。
二人の子供は親の不都合から早い段階で破砕されてしまっており、佐田はその責任を取ることを著書でも表明しておいた。
そして施設で破砕された身体を時間をかけて少しずつ取り戻していく子供達を見守ってきたつもりである。しかし子供達からは逆にうとんじられてきたのも確かなことであった。
つまりまともに生んで育てなかったことを恨まれ続けたのである。
こちらが仕組み的に成長していくにつれて、子供達も完全な身体を取り戻し、 世話役の方々のもとでまともに育てられ、成長していった。しかし子供たちは親を避け続け、こちらに近寄っては来なかった。
それは金龍姫や羊蹄姫がいたからであったのかもしれないが、こちらを親として受け入れるとひどい目に合わされるからであった。
旧体制による先導役消しのすさまじさは、それを身に受ける者にしかわからないほどひどいもので、佐田は親兄妹との縁を切ってしか取り組めなかった。
それは堕胎した子供達にまで及ぶものであって、それがわかっていたので子供達がこちらを避けることも受け入れるしかなかった。身勝手なことではあったが、それは親として寂しいことであった。
それから三十五年ほどの年月が過ぎた。子供達は立派な神になって生き続けているということは確認し続けており、元宇宙の代表権を獲得するまでの実力を身につけていることも知らされてはいた。
しかしその段階では依然として、 厳し過ぎるから公表しないでもらいたいと頼まれていた。佐田が公表すると標的にされていたぶられる、それを恐れて身を隠すメンバーは多いのであるが、 二人の子供達もその例にもれなかった。
ところがここにきて事情が変わってきた。もうこれ以上隠し続けることは許されない、そんな展開になってきたのである。
二人の子供達は元宇宙のメンバ一であるが、両者共既に元宇宙の代表権を五度こなし終え、次の段階である一期宇宙(六台アーサー王はじめ代表)の代表権を、二度も獲得するほどに成長してしまっているという。
そこまで行くともう堂々と表に出て活動しなければ、 皆が許さなくなっているのだという。ハメ手ではあっても、佐田賞が取り沙汰されるまでになっているとすれば、それも止むを得なくなるのであろう。
生まれ出づることなく破砕される人間は多いが、そうした子供達の世話をすることを仕事にしているのだそうであるが、親の立場としてはなかなか喜んでばかりもいられない。
しかし、そうした子供達も立派に生き直すことが出来る、 ということをここで報告しておこう。
もっともそうした子供達は、いろいろな意味で不幸な生き方を強いられるということも、言っておかなければならないのではあるが。