十一月の月例会は佐田の体調不良のために休会とせざるを得ず、会の主催者としては申し訳ないことと反省している。
今までは佐田が休むことはあっても、当日の突然の足止めで休むことがほとんどで、休会扱いとはならないできた。
それを休会としなければならない原因が今回はあって、その報告をしなければならないのであるが、それが思っている以上に難しい。
どういうことかというと、廃墟の大掃除という仕組みの意味合いに異変が起こっているからである。九十才までの寿命を授けるから仕組みの仕事をしてほしいと頼まれてここまでやって来た。
仕組みとしては三十年ほども前に神界コースとしては終了しており、その時点で太陽系はほどけていなくてはならなかった。ほどく代わりにもっと仕組みを進めてほしいという条件だったのである。
ところが仕組みが進み過ぎてしまったために、伏魔殿側の予定に狂いが出てきてしまったのであった。その原因は総合先導役の佐田遊びが面白過ぎて、予定が狂うほど遊び過ぎてしまったからであった。
馬鹿げた話ではあるが、欲望を追求してここまで到達した伏魔殿側としてみれば、予定以上に佐田遊びにのめり込んでしまうという落とし穴に落ち込んでしまったのであった。
佐田が彼らの要求を受け入れたため、今まで誰にもできなかった宇宙遊びをいくらでもすることができたからである。
ところが気がついた時にはもう取返しのつかないところまで仕組みが進行してしまっていたのである。
いかさまに負けて仕組みに勝つという手法を佐田は使っているが、彼らが仕掛けたその罠に彼らがまんまとはまってしまったのである。
無ルールで無限に盗み続けているうちに、総合先導役佐田のエネルギーが宇宙中に充満してしまい、その処理がてきなくなってしまったのである。
その不具合に対処するために、伏魔殿側は偽佐田を立てて宇宙全体を支配するという奇策に向かうしかなくなっていったのだった。
その段階で佐田の仕組みの課題は既に三回目を終えており、仕組み宇宙は次の段階に移っていなくてはならなかった。
それを無視して廃墟体制を維持し続けようとした伏魔殿側の思惑は、佐田遊びを続けたいということと、佐田を押さえ込んで佐田のエネルギーで宇宙を支配することであった。
しかしそのやり方は矛盾の極みであって、自らの首を絞めつけることにならざるをえなかったのである。
彼らの思惑としては、佐田をいたぶり続ければ佐田が仕組みを投げ出すと踏んでいたのである。
そのために日毎に佐田殺し、佐田潰し、佐田食い (食い散らかし、食い潰し、食い尽くし) が激しくなり、佐田としてはその苦しみを乗り越えることで精いっぱいといった生活を余儀なくされていったのだった。
今まではそれらを乗り越えて何度も不死鳥とまで言われる浄化生活ができていた。なぜかといえば、仕組みの先導役にはその三項目の適応はできない不文律があったからである。
ところが悪を追求し尽くそうとする伏魔殿側は、その不可能を可能にするための難題を総力でやり始めたのであった。そうした状況であるということを報告しておこう。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。