旧体制宇宙の果ては、屍状態になって延々と広がっている。汚れた石膏状のもので、その境界を抜けて外に出ると、外周が見える感じになるが、それは拡大するにつれて感じを変えていく。
始めは蘇鉄(そてつ)の細長い葉について いるトゲのような感じであるが、それが蘇鉄の葉に拡大し、さらにそれが小枝 になり、中枝、大枝、そして幹へと拡大していく。
それが一定段階繰り返されると、今度は瘤状のものが次第に大きくなっていく感じ、さらにそれは丘のような状態に拡大して段階ごとに多重の砂漠の山の ようになっていく。
それが無限に広がっていくと、境界がわからなくなり、混沌としてくるが、それを横から眺めると、汚いオーラのように見えることもあ る。
その領域は、宇宙進化の過程が一期から百期まであるとして、五十八期の宇宙レベルということになっている。本来ならば半分の五十期ということになる のだろうが、八期分行き過ぎて狂い死にした状態になっている。
その廃墟を起こして蘇らせると、行き暮れて飢え、固形化した屍になっていくしかない恐ろしさ、それ以上どうしていいかわからなくなって狂い回る状態のメンバーが起きてくる。
そうした宇宙の責任者がどうすればいいのかとこちらに確認してくるのであ るが、こちらは旧体制から新体制に変わって宇宙を完成させた経験と実績をもっているので、下まで降りて後半の宇宙を生きなくてはならない、というアドバイスをしてあげることができる。
まともな宇宙であればそれを素直に受け止めて新生脱皮していってくれるけれども、旧体制の宇宙支配を継続しようとする宇宙の場合は、なかなか言うことを聞いてはくれない。
そうした悪逆非道のはじめ宇宙の最初の星である一者の世界を、彫像化して奉ることになった。一者の星はまだ女も子供もいない男だけの世界であるが、 彼らは源から出てきて最初の世界を作り出したメンバーなので、その責任があ ることになっている。
しかしあまりいい宇宙ではないので、その責任を取ろうとはせずに逃げまくる。それでいて自分たちが作った宇宙であるといって、その権利を主張し支配しようとしてのさばってくる。それがあまりにもわずらわしいので、こらしめる意味で彫像として奉ることにした。
言うことを聞かない代表やグループとか、子供などを彫像にして立てておくと、おもしろい現象が起こる。次第に正常化していくのである。
地位の高いグ ループは顕彰されると大喜びするので、そうして奉って差し上げるのであるが、 じっとしていなければならないので次第に苦しむことになっていく。責任を取るまで自由にはなれないとわかると、彼らは懸命にその課題に取り組むようになる。そしてまともになっていくのである。
五十八期のはじめ宇宙の象徴一者の星は、そうして宇宙公園として立ってい るのであるが、コピーのはじめ宇宙が山ほどあるので、彫像の中で正常化してどんどん交代していくのだという。
その周りには女の動くヘドロが取り巻き、 さらにその外には子供たちの霞状の漿液が取り巻いて、正常化していくのだと いう。