03.異次元回廊

異次元回廊 P153 平成26年2月4日 2014

仕組みは遂に新しい段階に到達した。旧体制宇宙の果てに到達したのである。 旧体制の機械宇宙は、果てしもなく拡大した領域の外周で、既に死に果ててい た。汚れた石膏のような沈殿槽が累々と広がっているその領域は、しかしとてつもなく広く、今後の大掃除は容易ではないと思われる。

我々の宇宙は最終段階の大掃除宇宙である。旧体制の宇宙の行き詰まりは、 最近では明確なものとなっており、それが新体制宇宙へと変革され続けてきた ことも確認されていた。

その切り替え点も確認されており、その宇宙と共に大掃除の仕組みは続けられてきていた。そして、遂に宇宙の果ての一端に到達し た。

しかし、それはまだほんの一端であるに過ぎない。その内側には狂い回って いるような膨大な旧体制の宇宙が残っている。死滅を前にして狂乱している妖怪宇宙の成れの果てである。

その危険性は計り知れないが、説得は十分可能であった。しかしだからと言ってそれで十分であるかどうかはまだわからない。というのも反撃してくる宇宙もまだまだ多いからである。

それでも宇宙の外周に到達したのである。そして先行組はその役目を終えて発生の源へと帰り続けており、もう半分ほどは生き終えられていた。我々の宇宙は最終組なので、おそらく最後まで残って大掃除をし続けなければならないのではないかと思われる。

仕組みは後半戦に入った。ここからはもう逃げまくる旧体制宇宙を追う必要はなくなって、整理作業が中心になってくる。気持ちはぐっと楽になったけれ ども、だからと言って簡単に処理できるほど甘いものではない、という自覚も 生まれている。

抵抗勢力があるからである。ではあってもとにかくここまでは来た。ご苦労様でした。そして今後ともよろしく、と言っておきたい。

 




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