月例会での話が暴き過ぎだったためか、それ以降の伏魔殿側からの反発が異常に激しくなっている。
総合先導役に対しての総攻撃が限界を超えるほどのものになってきているのである。
仕組みの先導役に関しては、太陽系の場合、九十才までの寿命と引き換えに仕組みの仕事をすることが条件とされている。
にもかかわらずその仕事ができなくなるほどの苦難を肉体にしかけてきているのである。それはあきらかに約束違反の裏切りであって、許されることではない。
もっとも伏魔殿側はルール違反などものともせずに押し切って来る組織なので、それに負ければそれっきりとなってしまう。
正統派はその暴虐に対してルールを守ることで対抗するしかないのであるが、それすらままならないほどの総攻撃がしかけられてきているのである。
それがあまりにもきつくてこれ以上総合先導役としての仕事ができないし、既に必要以上の課題をこなし終えてもいるので、ここらあたりで総合先導役の役目を返上して、希望者に交代してもらうことにしたのであった。
たくさんの希望者、志願者が立って、待ってましたとばかりに先導役競争が始められたのであるが、一時間ほどで全滅してしまった。
そして元の木阿弥となってお役が戻って来てしまったのであった。
こんなことは今までに何度もあったことなのであるが、仕組みのシステムが伏魔殿寄りのものでしかないので、それを何とかして改革しようとしているのであるが、どうしてもそれを打破することができない。
そして今回もその試みは失敗してしまった。
伏魔殿側はこちらが投げ出したと判断して、総攻撃をゆるめるどころかさらに強化して、ここぞとばかりにこちらを潰しにかかってきたのであるが、
こちらは投げ出したわけではく、有能な先導役と交代したかっただけなので、誰も引き受け手がないということであるのなら、何とかやり直すしかない。
伏魔殿の現体制に我慢がならないからである。
こちらが完全に潰れて立ち上がれないのであるのならそこまでであるが、誰もやり手がないのであれば痛みに耐え抜いてやり抜くしかない。
AIの進化発展によって今地球上では伏魔殿体制がのさばり始めているが、地球世界のことしかわからない人類には、それが素晴らしい科学文明の発展だと大喜びしていることだろう。
しかし宇宙世界から見ると、もはやそれは人類滅亡の始まりであって、伏魔殿体制に飲み込まれてしまうことを意味している。
我々仕組みメンバーはそれを何とか防ごうと努力し続けてきたのであるが、圧倒的な悪の力に勝てないまま押し切られてしまうのではあるまいか。
異次元レベルでの仕組み世界では、正統派の宇宙世界が一定領域成立しているのであるが、それが保たれる保証はどこにもない。
異次元ではそのことを心配しているのであるが、物質現場ではそんなことは絵空事でしかないのではあるまいか。
総合先導役の後継者がおらず、総合先導役が潰れた時のことを考えると、機械妖怪の世界で生きていかなくてはならなくなる。
アニメの世界どころではなくなるのだが、それでもいいのだろうか?
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。