仕組みが急にスピードを上げたのでおかしいと思っていると、妙な展開になり始めた。無源回帰の動きが膨大な領域で起こり始めたのである。
そのことは喜ばしいことではあったが、あまりにも簡単に進行していくので何か変だと思っていると、やはりそこには普通ではない機械的な現実があった。
宇宙が機械化 してしまって致命的な状況にあることは先刻承知済みではあるが、それを何とか正常化しようとしているのが仕組み組であって、その流れがかなり大きなものとなっていたところで起こった現象であった。
廃墟が無源化していく過程では、過去に一定領域ではあるが、宇宙を七周している仕組み組があって、そうした領域が時間待ちをしていて、そうしたたくさんの領域が無源化していったのであった。
ところが相当大きな領域が無源化 していった後で、その無源がまた簡単に機械に食い潰されてしまう現実を見せ付けられたのであった。
そして、そうした過去は今までに何度も繰り返されてきたという情報が入ってきた。これもまた悲劇的な現実であった。
機械宇宙の致命的な姿を再確認させられているのであるが、その現実に負けて宇宙のほとんどの仕組み組は投げ出してしまっている。
我々太陽系の仕組み組もいずれはそうなってしまうのかもしれないが、現段階ではまだそこまでは いっていない。
総合先導役が生きている限りにおいてはという条件が付くけれども、今のところはまだ何とかできないかと試みる余力は残っている。
地球人類の科学文明は今宇宙科学を手に入れて急速に発展しているが、そうした全宇宙の致命的で悲劇的な領域に突入し始めたことに気づいてはいない。
どうすることもできない現実を前にして我々仕組み組はどうすればいいのか、 今それが問われているところである。