人斬り以蔵と恐れられた幕末の志士岡田以蔵組が赤城山の処刑場神界の正式な役人になったことは、佐田の群馬県の神行がらみで簡単に紹介しておいたが、このコーナーでくわしく書く約束をしていたので、それを果たすことにしよう。
坂本龍馬達と共に明治維新で活躍した収蔵のことは、一般にも語られて有名なのでいいとして、彼と抱き合わせにされている佐郷屋吉のことにも触れなくてはならない。
なぜなら彼は以蔵に就かず離れずつきまとっているからである。しかし、彼のことよりまず以蔵グループのことを書くことにしよう。
人間世界や宇宙世界はもちろんのことであるが、地球の異次元界にも刑務所や処刑場はある。赤城山はその内の一つであり、お顔の浅間山は刑務所神界ということになっている。
富士山の火口に逆さに吊るされる宇宙の代表達、彼らを浅間山が身代わりになって処理するのである。
処刑場はツヌプテ山とも呼ばれていて、日本には五十カ所ほどあるとのこと。
そこは仕組みの浄化の拠点ともされていて、先導役の佐田も初期の段階に、日本の二十九ヶ所の拠点で各地の浄化調整作業をさせられたことがある。白山の光の剣でい抜く作業であった。
その件については「日本の神々」にも言いておいた。白峰三山の一つ島店の浄化行以降の部分である。神界からのお言葉も紹介しておいた。
赤城山もその一つであるが、岡田以蔵はそちらの方へ招かれて行ったが、 今はトレーニング中であって、日本五十カ所への所属はまだ決まっていない。
佐田の本拠地から新婚早々五百組が出掛けて行ったが、女性組もそちらで働く ことになっている。
岡田以蔵は始めは処刑執行人など嫌だと言っていたけれど も、仕組みにはなくてはならない役職なので、佐田を含めての説得に折れて承話してくれた。ありがたいことであるが、反対派の佐屋までがしつこくついてきて、赤城山に潜り込んだ。もちろん反対派の旧体制側での役人としてである。
彼らは既に神であるが、役目が役目であるだけに、扱いは冥界神なのだという。しかしそれを魔神界から見ると、トップの神格になるのだという。
逆に魔神界の立場であれば、正神界のトップの地位があるということになるのだそうである。人や神にも嫌がられる職種ではあるが、その実力はトップクラスなのである。
以蔵レベルで見れば、マンガで描かれた拝一刀レベルでなければ動まらないのだという。佐郷屋は以蔵につきまとって離れないが、まだ拝一刀レベ ルには違していないとのことである。佐田に簡単に祓われてしまうようでは使い物にならないわけで。