滝に入った三条正子からは建礼門院とおぼしき妖怪が飛び出して逃げていっただけではなく、そのほかにもたくさんの化け物が抜け出していったのだそうである。
そうして二度三度と入っていくたびに再び若返っていったが、すぐにまた老婆の姿に戻されてしまい、結局七十三才どまりになってしまったとのこと。
そのことは何度も同じ星に通う彼女に以前から起こっていたことであったが、以前はそんなときには素早く逃げ出して隠れてしまうため、とりあえずは様子を見るだけで終わっていたらしい。
それなりに若返っていたからである。ところが今回は老婆の姿に多少の変化が現れただけで、若い身体には戻れないのだった。
そうしたことが続くことになると、四十九日の過程はこなせなくなるばかりではなく、仕組みの課題も遠のいていくしかなくなってしまう、そんな展開となり続けていくのだった。