24.高杉晋作神行

高杉晋作神行 三十四

高杉晋作の官吏の仕事は少しずつ進められているが、彼の内にはまだ何か隠さなければならないものがあるのだという。

それは自分の中に高倉天皇がいるような気がして、そのことで動き回らせられるため、偽名とかそのほかもろもろの演技的な生き方を強いられてきて、そのツケがまだぬぐいきれていないためのようである。

高倉天皇と建礼門院、並びに安徳天皇潰しなどのもろもろが身にせまってくるのであろう。

自分の正体が何なのかもわからないまま、あるいは仕組みの中身もわからないままでは、どうしようもないものがあったに違いない。

それが生まれ変わりのような形で三条正子とのセット関係を指摘され、その真偽も定かならぬまま、とりあえず取り組んでいるとのことである。

三条正子とのかかわり具合に戸惑うことも多く、先行した龍馬と乙女のようにはいかない自分たちの甘さを感じてもいるとのことであった。

ましてや世界的に偉大なモーゼやアロン(アロンボ)と並び立てられるなどという恐ろしい課題があるということになると、何もできなかった高倉天皇のようになりそうな自分を奮い立たせているのだそうである。

ミタマのレベルが上がらないのもその辺にあるのだろう。

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