24.高杉晋作神行

高杉晋作神行 三十

五月八日(水)、佐田が富士山の拠点に出かけたときに面白い事が起こったので、四十九日を中断して、忘れないうちにそのことの報告をしておこう。

佐田に合わせて山内容堂高知城の主が来山して、前妻の三条正子並びに高杉晋作と会合された。

二十三才の娘の姿をしている美しい前妻を見て、もう帰って来るなと叫んだ容堂城主、帰ってきていいよとやさしくあごを撫でた。ところが正子は嫌がった。

彼女の周りには若い男たちが取り巻いていて、四十九日すらとどこおりそうなほどで、担当者が怒鳴りつけるということが続いていた。

そんな正子を高杉晋作も怒鳴り散らしていたが、前夫山内容堂と対面して、にらみ合うといった場面もあった。

しかし容堂氏はつぬぶて山の見学をしたいと申し出て、それが受け入れられ、正統派の処刑場の見学となっていった次第であった。

どちらかというと伏魔殿側の処刑場組である山内容堂、高杉晋作に案内されて仕組み側の処刑場へ入ろうとすると、自分の身が危なくなるエネルギーを感じで、遠巻きに見学するということで終わったとのことであった。

そして富士山での宴会に参加してお帰りになられたのであるが、ご母堂や高知藩守護派たちは、三条正子を連れて帰りたがっていた。

四十九日に出かけている彼女が、これからどうするかは今後の課題となってきた。

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