八日目は木星の衛星カリスト、ここは一神教の天国で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖職者たちがたくさん住んでいた。
三条正子は宗教が違うので中に入ることはしないで、特設領域から見学させられていたが、以前の彼女としては同等の伏魔殿の世界なのであった。
しかし彼女のレベルは少し上がり始めていて、ミタマが開いた五合目から六合目まで抜けてきていた。そのため違和感が出始めているような感じとなっていたようである。
九日目は金星、開いたミタマのレベルは七合目まで上昇しており、金星には対応できるようになっていたが魔神界であるため中に入ることはせず、見学だけで終わったとのことである。
金星は魔神界ではあるが、地球人類の先祖たちが黒魔神界にも白魔神界にもたくさんいて、以前の妖怪体制とは様変わりとなっていることに驚かされたという。
龍神や天狗天使、あるいは天男天女といった神社界ではなじみの生命体はいなくなっており、地球よりはレベルの高い半裸の魔神や人間たちが、純度の高い動物や植物たちと共に、生き生きとした自然の中で活動していた。
一方伏魔殿側の代用金星には以前のままの世界があり、本物の金星の仕組みを狙っていた。
そうした様子も確認させられていったが、案内役の二名の対立の狭間で、三条正子はまだ自分の立場が安定しないため、戸惑いながらの行程であったとのことである。