24.高杉晋作神行

高杉晋作神行 十二

海王星が伏魔殿の天皇家神界レベルである、との正統派の案内役の解説に熊野の女神官は激しく反発した。

天皇家神界から脱け出そうとして四十九日に取り組んでいる三条正子にしてみれば、正統派の解説に戸惑いながらも、自分の立場、役目に対しての思いもあって、否定しきれないものがあるようだった。

案内役の右と左の意見が分かれるので、佐田のほうに打診があった。そのためそれなら次は太陽にすればと進言したのだった。

次の日太陽に出かけた三名のうち熊野の女神官は、仕組みの現実に耐えられなくなって、つまりまともな太陽の光に耐えられなくなって、代用系、つまり伏魔殿側の太陽へと逃げて行った。

正統派の明治神宮の女神官は、正子をまともな四十九日の過程へと伴っていくのだった。

そしてその日の午後三時、白糸の滝に入った三条正子のミタマが開いた。

子供の時にミタマが開き、山内容堂の妻であったときにも正統派の立場で明治維新の渦の中にいた彼女であったが、死んで三嶋大社に招かれて天皇家神界の役目に就いてからは、伏魔殿の使者へと変貌していくしかなかったと思われる。

まさかそこが自分の墓場であることも知らずに。

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