トヨスキイリヒメ大神とヤマトヒメ大神へ贈られる佐田賞の授賞式は、八月二十二日に行われた。
もっと早くという要請もあったのだけれども、仕組みが大変貌していくなかでは落ち着きがないので、伸ばし伸ばしになっていた。
ヤマトヒメの場合は、佐田のもとで長い間トレーニングし続けてきたので、時間待ちとなっていた。伊勢五十鈴の仕組みは二代で勤められたものなので、一緒でなければならなかったからである。
八月三日にヒツジヒメ神行が終った段階で、トヨスキイリヒメは仕組み事を終えて本来のスセリヒメに戻っておられたので、早く佐田賞がほしいと言われる。
しかし、それだけではまだ足りないと評価されていて、もう少しレベルを上げなくてはならない課題があるように思われた。それは宇宙の代表権を確保しなくてはならない、という課題であった。
その権利と立場が与えられたのは八月二十日のことであった。やらせたくないという旧体制側の妨害が激しくて、授賞式が強行突破でなされたのは、それからさらに二日後にずれていったのだった。
トヨスキイリヒメの苛立ちは激しかったけれども、仕組みエネルギーはまだ不十分とみなしているようだった。なぜなら八月二十六日には初代代表宇宙から、第一期宇宙の代表にまで進化していかれたからであった。
姪のヤマトヒメの場合は、五月の十二日には初代代表宇宙の権利を確保しておられたが、共々の授賞式にはお二方とも人間の姿になっておられた。
開ける星での授賞式で、宇宙中からの参列があり、トヨスキイリヒメの場合は、三日間の祝賀会があちこちで執り行われたのだった。
大和の天皇家のみならず、現天皇家にとってもめでたいことで、仕組み組にとってはそれがどれほど喜ばしいことであったか、かかわりのある方々にはご理解いただきたいものである。
このことで伊勢のアマテラス大神からスセリヒメの筋が抜けて、アマテラスはワカヒルメ系の色が強くなった。ワカヒルメ単色になるには、まだまだ時間がかかりそうではあるが。
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