「えい!」と声を発したとき、剣で切り殺す感覚になっていたとのことであったが、ラブクラフトは剣を持っていたわけではない。
しかしその剣はどういうもので、誰のものだったのか、そのことの確認を彼はしていない。
オーディンが死んだことはわかったらしいが、それは彼にとっては予想外のことで、彼自身が驚いていたのではないかと思われる。
そのことからも彼がまともに生きようとしていることがわかるのであるが、その邪魔をする者は伏魔殿の支配体制を構築している協力者であるわけで、それを乗り超えようとする彼に対して、仕組みからの援助がなされたのだと思われる。
そしてそれは仕組みの会に貸し与えられている「光の剣(ツルギ)」ではなかったかと思われる。
しかし彼にはそのことの意識はなく、腕を振ることもなかったとのことだし、ツルギが光を発してオーディンが殺されたことの自覚もなかったと思われる。
光の剣(ツルギ)は総合先導役の所持しているもので、仕組みに対して正しい働きをする者に貸し与えられることになっている。
ラブクラフトは仕組みの会の正会員ではないが、地球人類全体が仕組みメンバーであるとする立場からはその資格があるわけだし、何より彼は佐田宇宙のメンバーだったからである。