03.異次元回廊

異次元回廊 P53 平成24年1月24日 2012

 仕組みの調整は順調に進んでいる。切り替えに伴う大掛かりなうねりが押し寄せるばかりで、情報としてはあまり面白いとは言い難い。

それでという訳でもないのだけれども、ちょっとエピソード的なものがほしくなってきたので、ここでトールキンさんの話題を取り上げてみよう。

「指輪物語」で有名なトールキンさんは、早い段階で宇宙へ昇っていかれたけれども、なかなか表に立ってはいただけない。

小さな宇宙の代表には何度もなっておられることは、以前から教えられていたが、何時になっても大きな舞台にはお出になられない。おかしいなと思って聞いてみたことがある。去年のことではあるが。

 するとご自分の作品に対して、かなり強烈な執着心がおありになって、どうもそれが原因しているらしい、ということがわかってきた。遺言によれば、作品を作り替えることを禁じておられた。

ところがピーター・ジャクソン監督の三部作は、かなりの改変がなされていて、それで映画は面白くなっていたのであるが、作者はご機嫌斜めであられた。

 そのことは以前にも書いたような気がするが、それはともかく、トールキンさんは「指輪物語」の背景となっている神々エルフの神話を、「シルマリリオン」という作品にまとめておられる。

ところがこれは残念ながら創作神話であって、真の神話ではない。筆者はそれがどうしても読めなくて、投げ出してしまったのであるが、トールキンさんはその作品に関しても、いたくご執心なのである。

 それが命取りになっていて、そのことをご忠告申し上げているのであるが、何としても受け入れてはもらえない。捨てられないと言われるのである。

そのため大成できないでおられるのである。物事とは皮肉なものである。アガサ・クリスティさんを追って、宇宙で大活躍されるのを期待しているのであるが、なかなか難しい。

 トールキンさんは言語学者であられ、サーの称号も持っておられたが、筆者とかかわりのあった王室顧問の言語学者のことをお話すると、意固地にそっぽを向いてしまわれる。

変だと思って調べてみると、彼はケルト系ではなく、フランク王国系であられるらしい。

ケルト神話でもなく、北欧神話でもない、ツングースが混ざった神話、バラバラになって残っていないその神話を、再構築したかったのではないかと想像するのであるが、ルーツというものはなかなかやっかいなものである。

 日本だけでも整理がつかないくらいあるが、ちっぽけな地球の人類の中には、恐ろしくたくさんの民族と、その背景となっている宇宙の、仕組みのドラマが隠されている。


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