03.異次元回廊

異次元回廊 P43 平成23年11月8日 2011

 仕組みは久々に新段階に突入した。長い間今までの最大領域で定着していて、これ以上に拡大することはないと言われていたが、ここに来て厚い壁を突き破るようにして、外に広がった。

内側の整理が終わったことを証明する出来事ではあるが、宇宙はやはり果てしもない。

宇宙の果てはないと言われているが、ときどきその果てに到着したとされて、そこまでを整理すれば仕組みに決着がつくような状況が現れてくる。

しかし今までの経験では、すべてその限定領域は整理段階であって、最終段階ではないことがわかっている。


 仕組みは発展という形をとり、メンバーは大喜びで外の新領域の廃墟に飛び出して行くのであるが、実際はかなり疲れることであって、もうここらあたりで決着がつけられないか、と考えている者も多いと思われる。

それほどに果てがないのである。しかし、広がってしまったとなれば猶予は許されない。膨大な妖怪組織が襲いかかって来るからである。


 疲れた身体に鞭打ち、心を引き締め、改めて覚悟を固めて新領域に乗り出して行くしかない。

大喜びしている勇者が多いので、こちらが負ける気遣いはないし、外の廃墟ではよみがって新しい世界で生きたがっているメンバーが待ち構えていて、歓喜して迎えてくれるので、くたびれてはいられなくなる。


 なにはともあれ、仕組みは発展した。さらに新しい宇宙へと我々は進んで行かなくてはならない。まずはめでたい、と報告しておこう。


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