03.異次元回廊

異次元回廊 P23 平成23年6月14日 2011

 男、女、子供と三つに分ける整理の仕方が宇宙にはある。それから仕組みで宇宙の大掃除をしていく過程での三つの段階がある。

この段階は下の段が子供、中の段が女、上の段が男の設定になっている。そして、下が機械体制、中が魔神体制、上が正しい体制となっている。


 最近やっとの思いで上の段まで昇って行ったのであるが、昇ってみて改めて驚いている。

まともに生きている宇宙などほとんどないのかと思っていたら、何のことはない、山ほど正しい宇宙が転がっていた。

しかも行き暮れて廃墟化してしまっている宇宙であった。


 魔的な廃墟に慣れていた我々にしてみれば、嬉しいような、ありがたいような、安心できるような現実ではあるが、何か変なのである。

めでたし、めでたしではないのである。宇宙は完成されているのだそうである。五十才の正しい宇宙が作り上げられているのである。

しかし、彼らは行き暮れて、その先の行き場もないまま腐り果ててしまっていた。


 悲惨なことと言うより、なにか当然といった感じがあったのは、何故だったのだろうか。

以前魔的な廃墟があるのなら、善的な廃墟もあるのではないかと疑ったことがあり、それが現実のものとして現れてきたからだったのかもしれない。

こちらはまだ新参者なので、今後の展開は計り知れないことではあるが、先行組の轍は踏みたくないと当然のように考えるのだけれども、うまくいくかどうか。


 今はそれどころではなくて、白い廃墟、レベルの高い廃墟の整理で大変である。今までとは勝手が違うきつい作業が続いているのである。

正しいものが崩れたときの無秩序さというものは、魔的なものより始末が悪い、そんな感じがするのである。

今までのような当たり前の悪の方がずっと扱い易い。善が崩れて腐ってしまうと、どうにもならない。


 新体制組はその難儀さに辟易して、逃げ腰になっている。しかし、どこへ逃げればいいのだろう。

単純な見方をすれば、巡るしかないのだけれども、どこかに行き場があるのでは、あるいはどこかに無源回帰できるところがあるのでは、と善の宇宙はとことん努力したらしい。

その果ての廃墟である。どこにもそんなものは見つからなかった。


 さてそれでは我々はどうしたらいいのであろうか? 五十回とは一つの節目であるという。

目的のない旅、帰る当てのない宇宙運営、発生の源にすら戻れない世界、巡り続けるしかない生命。

さて、だからどうしたの? 振り出しに戻っただけのことではないか。しかし、誰がそう感じているのだろうか?


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