03.異次元回廊

異次元回廊 P1 平成23年1月4日 2011

 佐田の幽界の拠点にある迎賓館は、丹下健三氏(今では仏界の神)の設計によるもので、横幅500メートル、縦50メートル、部屋数が1,500室あり、前庭は五キロほどもあるという。

建物の感じはウィーンのシェーンブルグ宮殿を白亜にした感じ、赤坂の迎賓館を大きくしたようなものらしい。


 佐田の幽界の領地は、埼玉県上尾市の自宅を中心にした広大なもので、上尾市の半分ほどもある。

この領域は元は前出雲族が入り込んだ土地で、幽界では佐田が買い取るまでは、まだ原野に近いものであった。

前出雲族の流れになる佐田がこちらに導かれたのも、先祖の仕組みとかかわりがあったからであろう。この領域の物質界には、古来武蔵一宮として名高い氷川神社があり、このあたりの産土となっている。


 出雲たけるにルーツがあるらしい佐田の父方の実家は、斐伊川が運んだ砂地の田園地帯にある。

稲作を携えて埼玉の大宮あたりから、さらに茨城の笠間稲荷あたりへと北上し、福島あたりでツングース族とぶつかって進行がとまった。

つまりそこでスセリヒメの仕組みがとまったことになるわけである。


 古代のスセリヒメの仕組みから、現代のオオクニヌシの仕組みに引き継がれて、その神界コースの先導役を担わされた佐田が、先祖に縁の深い土地で仕組みに取り組んでいるのも、何らかそうしたところに縁があるのかもしれない。

もっとも物質世界ではほとんど受け入れられることがなく、異次元に拠点を据えるしか道がないということは、非常に残念なことである。


 この迎賓館は佐田組の仕組みメンバーが管理していて、第一期の仕組みで大活躍した「子神たち」も、今のところ全員集合している。

宇宙が展開していくとともに、彼らは様々な活動をし続けてきて、もう元の姿ではなくなってしまっている。

しかし仕組みのメンバーとしては、常に佐田と共に歩みを進め続けていて、今年からの新しい展開に対しても、その準備に余念がない。


 「子神たち、その後」がこの連載の一つのテーマとなっているが、もちろんそれだけではなく、仕組みにかかわる様々な問題やエピソードを取り上げていく予定である。

迎賓館には仕組みにかかわるたくさんのメンバーが集まってくる。そうした方々の動向や問題点などを順次報告していくつもりである。


 興味深いのは佐田と小野の子供でありながら、生まれることの出来なかった二人の女の子が参加してくれたことで、そちらの成長を見守っていくことも、目的の一つである。

佐田の子供であったばかりに、宇宙中の施設をたらい回しにされ、我々親からも逃げ回ってきた二人だった。

ここにきてやっと仕組みの現実もわかり始めてきたようで、親子の交流も出来るようになってきつつある。

小野金子と佐田羊子と名付けたが、いまのところは播(はん)の木とむく犬の姿なので、同意してくれるかどうかはわからない。

 

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