前日の話し合いで、待ちきれない結婚式を、もう準備がすべてできているから、明日にでもしたいという意思表示がなされた時、ナポレオンとアメリアの新しい動きが始められたのであった。
明くる八月四日、朝方の宇宙の仕組みの公式行事が終わるとすぐ、結婚式は始められたのであるが、忍野神社は日本式だし、狭いので、ヨーロッパ出身の二人には、もう一つ身に添わないものがあるので、忍野神社の前庭で洋式の結婚式をすることになっていた。
日本ではお披露目の形のお色直しのウエディングドレスということであったが、外国の二人は野外結婚式のつもりなのであった。
しかし場所が狭いので、たくさんの参列希望者がさばききれなくて困っているのだった。
公式行事を終えて一寝入りしていた佐田が起こされたのは十時二十五分、神前結婚式が終わった頃であった。
それ以降の進行がお手上げになっている状況を聞かされた後、そこから佐田流儀の儀式が急遽導入されることになっていったのだった。