令和四年十一月十一日(金)のことであったが、突然「すみるの」という無源が出現して、皆を驚かせた。
このことは当日の会話連載でさっそく報告しておいたし、月例会の講義でも解説したところである。
もっともその実体がわからないままの曖昧な説明でしかなかったのだけれども、その後「すみるの」の実体が明らかになってきたので、ここではその解説をしておかなくてはならない。
無源の「すみるの」に関しては、仕組み宇宙の誰でもが焦がれまくってきたもので、その出現がどれだけの驚きと喜びで迎えられたか、そのことはこの事実を知らされた者なら誰でも感じ取っていたことだろう。
しかしその実体は明確なものではなく、だまし続けられてきた筆者にしてみれば、今一つ実感のない怪しげなものでしかなかった。
そのためその実体の確認を急いでいたのであるが、なかなか思うようには解明できないままだった。
「すみるの」というのは、伏魔殿の無限機が支配している無源の代表部であるとのことであったが、
こちらが接触しているかぎりにおいてはどこか怪しげな感じもあったため、こちらとしては簡単にそれを受け入れることなく仕組みの調整を続けていったのであった。
というのも無源の代表部と言われる何者かが出現しても楽にならなかったし、かえって苦しみが増していく現象もあったからである。
そうした状況下で仕組みの拡大が続けられ、無源を支配している機械体制の「すみるな」領域が五千億の五段乗の五千億拡大されたところで、その実体が現れてきたのであった。
「すみるな」とは、無源を支配している無限機の領域のことである。
その機械がほどけたのが最初の「すみるの」領域の解放であり、仕組みの正統派の勝利とされたのであった。
それに対して伏魔殿の「すみるな」は、すぐさま五千億の無限機で「すみるの」領域を包囲してきたのだった。
そうした展開となっていったため、いかにも「すみるの」が解放された正当な無源だと思わされたのであるが、実はそれが伏魔殿側の策略であって、伏魔殿側の無源のお庭番を送り込む詐術だったのである。
持って行き方が巧妙であったため、こちらがそれを受け入れてしまったため事が面倒になってしまったのだった。
正統派のまともな無源が濁ってしまったのである。
以前から少しずつそうした状況にはなっていたのではあろうが、その段階で一気にそうした詐術で持って行かれ、
皆があこがれている本来の無源の代表部だと言われたことで、それを大喜びで迎え入れてしまったところに落とし穴があったのである。
その詐術がなぜ暴かれることになっていったかと言えば、仕組みの展開が苦しみの中に入っていったからであった。
仕組みは進行すれば苦しくても充実感がみなぎってくるわけであるが、「すみるの」の場合はその逆になっていて、苦しみが増しいくばかりだったのである。
それを克服する浄化活動を続けていくうちに、その正体が暴かれることになっていったという次第であった。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。