08.ナポレオン45日行

秘密儀軌ツアー26⑬ 2018/6/21~6/25

十三巡目の一

六月十五日(三十二日目)、二人はあちこちをたらい回しにされたあげく、ナポレオンは月の監獄に、アメリアは上の宇宙の監獄(シリウスあたり)に収まって、それぞれがそれぞれの調整をし始めていた。

 

アメリアは佐田の公共私有地に帰ってきて、有給の下働きをしようとしている。

 

マフィアの里でも掃除の下働きをしていたということで、そういうことしかできないらしくいろいろと交渉していたが、皆の意見では食堂で働かせて食事が作れるようにトレーニングさせるほうがいいということで、有給で働いてもらうことになった。

 

あばずれで言うことを聞かないので、その時は佐田の鞭でお仕置きをするようにということにして、とにかく何とか形を作り上げなくてはならないのだった。

 

ナポレオンの場合は、月の監獄では収まりきれないので、佐田の奴隷領域でとにかく負債を払わせるしかない。

 

矯正体を脱がせて働かせることになったのだけれども、夜になるとこっそり佐田の公共私有地に入り込んで突貫工事現場で働いているらしい。

 

その働き振りが尋常ではないということで、彼らも何とか現状の打開を図ろうとしているのだった。

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十三巡目の二

嫌がる二人を佐田王街へ三度目に追いやったのは六月十四日のこと、そのときは楽しいものだったらしく、そのあとの大盛況の宴会も楽しめているようだったので、

 

十五日の公式行事の時に次の段階へと送り出そうとして拒絶され、恒例のどたばたが巻き起こったのであるが、そんなことを繰り返していても仕方がないということで、

 

十六日の公式行事には二人とも嫌がりながらも受け入れて、四度目の楽な佐田王街へと送り込まれたのだった。

 

楽なものだったので二人は楽しんで帰ってきて大宴会となったのであるが、旧体制側はそれが気に入らないらしく、総攻撃を仕掛けてきたのであった。

 

そしてまたまた二人はバラされて、アメリアはマフィアの里に、ナポレオンはバンパイアに逆戻りしてしまったのであった。

 

なぜ二人がそれほどの扱いを受けるかについては、過去に問題があることが少しずつわかってきていた。

 

ナポレオンは過去の元宇宙で四度代表を務めたことがあったが、そのあとは佐田を潰すために徹底的な悪逆非道の手先に使われたらしい。

 

その全てを払い除けて佐田は現在まで潰れずにここにいるわけであるが、ナポレオンにはそのツケがあるということらしかった。

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十三巡目の三

とにかくナポレオンの四十九日はまともなものにはならなくて、突発事故ばかりが巻き起こる異常なものであった。六月十七日、十八日と進んでいったが、実質三十日のままで日が過ぎていった。

 

その間彼らは自己確立のために狂い回る状況が続いていて、とても四十九日行に出かけていく余裕はないのだった。

 

それでも彼らは正常化しようとする努力を怠らず、懸命に生きようとするので、こちらとしても見捨てることもできず、お付き合いすることになっていったのであった。

 

そして六月十九日はまともな形での四十九日行となっていった。三十六日目ではあったが、実質的には三十一日目ということになっていた。

 

その日は冥王星に行ってもらったのであるが、それはまるで佐田の確認作業のようなもので、ナポレオンの四十九日と言えるのかどうか、こちらとしてもよくわからなくなっているのであった。

 

太陽系の異次元情報、あるいは各界の情報というものは、まったくと言っていいほどいいかげんなもので、正確なものはほとんどないに等しいので、どうしてもこうした調査が必要になるのだった。

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十三巡目の四

冥王星というのは、以前は第九惑星とされていた。それが最近では周回軌道がずれていることや規模が小さいことなどからか、準惑星の地位に落とされているし、カロンというセット星まで現れている。

 

神智学では太陽系には十二惑星があることになっているが、こちらの調査では十惑星とするしかなく、しかも二度の崩壊によってズレが生じている。

 

ここでその十惑星を再確認しておくと、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、そして木星の衛星であるガニメデと、土星の衛星であるタイタン、これで十神界対応とするのである。

 

太陽系の元の星であった恒星は二度壊れているので、そこにズレが生じているのである。

 

そして冥王星とカロンのセットは、男女の生殖器対応となっている。ナポレオンの冥王星行きはその確認をしてもらうためであった。

 

冥王星では騒動が起こることはなかったが、こちらが確認していたとおりの生殖器星で、生命体は冥界レベルとしてはかなり上等なものであるらしかった。

 

もちろんダッチドールとしての生命体でしかないが、それであればこその上等な生命体であったのである。

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