色地獄でもつれあってうごめいているおぞましい世界では、もう自分が誰なのかすらはっきりしないほど酔い痴れてしまっているので、
ジャンヌ・ダークのことがわかるのかどうか確認する必要があった。
映画を観てからというもの、こちらに付きまとって離れず、わずらわしくてたまらないので、何とかしようとこちらもいろいろ手を回していったわけである。
何やら仕組み的におかしな感じがしたからである。
ジャンヌ大神はさっそくこちらの願いを聞き届けてくださって、トーベ・ヤンソンさんとの接触がなされたのであるが、
トーベはジャンヌを馬鹿にするし、ジャンヌはトーベはものにならないと投げ出す有様であった。
それではお話にならないので、そこらあたりのいろいろをトーベに解説し続けていったのであるが、彼女はとにかく嘘ばっかり言うので、何が本当なのかわけがわからない。
最初はそんな感じであった。