六月十四日(火)のことであった。
今年のテーマである「創成と構築」のあおりを受けて、仕組み潰しや先導役潰しが激しくなり、それに埋め込まれるようにして科学者組の仕組みの進行具合がおかしくなった。
そのためそれを何とかしようと、試しに廃液の中に消えたフラザーフッド代表の動向を探ってみることにした。
管理システムの中に理念として取り込まれてしまう場合は、割合簡単に呼び出せるのであるが、それを越えて廃液の中に消滅してしまうと、簡単には出られなくなってしまう。
もっとも完全に生命体の個性が消えてしまえば、もう元の姿に戻すことはできなくなるわけで、そうなってしまってはどうにもならなくなる。
それでもそうした扱いをされた会員などでも、しつこく出てこようとする者もあって、こちらに調整の依頼が来ることもある。
そういう裏事情があるので、ブラザーフッド代表はどうなのかと確認をしてみたのである。
宇宙の仕組みを先導する佐田宇宙の十神界の代表のひと柱であってみれば、その責任は重大だからである。