果てのない無限というものの不可解さは誰もが感じているものなのではあろうが、仕組み働きをして感じる無限というものには、まったく別の感じがある。
世界や宇宙の発生の源ということであるので、それなりの何かを見ることになるわけで、そこに何があるのかと常に確認し続けてはいるのであるが、まったくわからないというのが正直なところである。
手応えのある何かが感じ取れればそれに越したことはないのであるが、何もないのでまったくのところ白けてしまう。
あるのは機械組織とそれに繋がる伏魔殿組織ばかりで、彼らが食い潰した無限の廃墟が果てしなく広がっているだけである。
あるのは無限の廃墟であって生きているのは無限を食い潰した機械組織ということになっている。
そんな馬鹿げたことがあるものかとその奥を探り続けてきたが、残念ながらそれ以上のものは現段階では見つかってはいない。
この宇宙を創り出した創造宇宙という存在に関しては、その確認はできているし、既に発生の源と思われる領域に回帰し終えているということになっている。
彼らに確認してみると、現在ある廃墟宇宙は自分たちが目指したものではないということで、彼らも思いがけない人間科学に翻弄されて引きずり回された過去があることがわかっている。
その背後には無限の意思があると思われるのであるが、その確認がもう一つできないのである。
表に出ているそれを伏魔殿と呼ぶとして、そうした存在の横暴極まりない宇宙運営がすべてに受け入れられているわけでもない。
そこらあたりのバランスの問題ということになるのかもしれないが、現段階までの宇宙はまだまだ悪の側に寄り過ぎていて、とても善的なメンバーに受け入れられるものではない。
エネルギーのバランスからすれば、善的なメンバーも半数はいるわけで、その半数がしいたげられ過ぎているのが今の宇宙であり、それを打開しようと死に物狂いで活動しているメンバーもたくさんいることはいる。
それが仕組みメンバーというものであって、我々太陽系のメンバーもそのうちの一つということにはなっている。
残念ながらその意識がほとんどないところに致命的な欠陥があるのだけれども。
その働きをさせないところに伏魔殿側の巧妙な宇宙運営があるのであって、その年季の入った悪知恵には簡単には太刀打ちできないほどのものがある。
しかし時代は流れていくものなのであろう、盤石のように思われる伏魔殿体制にもほころびが出始めており、その虚を突いて出現したのが我々の突然変異の進化宇宙ということになっている。
それは今までの宇宙から見ると画期的なものであり、食い潰された廃墟無限を復活させるほどの働きをし始め、広い世界に急速に広がっているわけであるが、無限には果てがない。
果てのない無限を食い潰してしまっている伏魔殿組織があることは信じ難いことではあるけれども、それを受け入れるしかない現実もある。
それにどう対処すればいいかの課題を前にして、有限の物質人間が取り組んでいるのは滑稽なことと言うしかない。
しかし問題は物質人間の科学がそれをやってしまった責任があり、それを解消しなければならない責任もあるというところにある。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。