仕組みの先導役という存在が元宇宙にもあって、それが栗山奉行師であることがわかってからまだ一年にも満たないが、
師は占い師としては天才でも、仕組みの先導役としては空っぽであることが判明した。
おそらくそれは佐田が元宇宙の女代表の子供として産み出され、身代わりで先導役を務めているからであろう。
そのことの証拠として、師は佐田を知った時から佐田を盟主扱いしてきたという事実がある。
そのことは既に解説済みであるが、師は禊神行の二十七回目までで先導役の役目を放棄してしまった。
二十九まで行けば旧体制伏魔殿方式では満行とされている数字になるが、佐田方式では五十までこなさなければ正式なものとはされない。
元宇宙の仕組みは元宇宙だけのものではなく、大元宇宙とハゲ元宇宙を三つ巴にしてより合わせ、それを佐田宇宙に被せて封じ込めているものである。
その事実が判明したため、元宇宙の役目を師に返したわけであるが、師はそれを受け止めることができなかった。
そしてそれを大和の天皇であられたサッチャー女史(皇極・斉明)とデニス氏(天智)ご夫婦セットに引き継いでいただくことになったわけであるが、そのあと栗山師の過去が仕組み的に明らかにされていった。
それでわかったことは、師は元宇宙で五度変化して仕組みの先導役をさせられており、大元の金井南龍師とハゲ元の落っこち大神との三つ巴にされながら今日に至っている。
ところが過去栗山師だけはまったく仕組みの仕事をしておられなかった。ほかの両者はこなしているにもかかわらずである。
そのことからも仕組みの総合先導役である佐田を封じ込めるために、先導役の役目を受け持たされていたということがわかってくる。
伏魔殿の仕組みは、一番の仲間であるはずの宇宙のメンバーに、もっとも強烈な役目が与えられている。
その意味では最強の役者は佐田宇宙の仲間の中にいることになるのではあるが。
自分の宇宙の仲間に関しては、既にかなりの整理をし続けてきているが、抱き合わせの宇宙の場合はなぜか見逃されていることが多い。
家族や親族といった身近な関係にしてあるためなのかもしれないが、わかりにくいし、わかっても排除しづらい。
そうした弱みを徹底的に利用して、仕組み潰しの戦略戦術が構成されている。こう書けば思い当たるメンバーは多いことだろう。
仕組みより家族親族に寄ってしまうメンバーがそのことを証明しているけれども、だからと言ってそれを責めてみても仕方がない。
仕組みの設定のほうが悪いからである。
そのことはともかく、元宇宙の先導役が栗山奉行師とその母親のセット女から、サッチャー・デニス両者に引き継がれたわけであるが、それがうまく機能するかどうかは今後の展開を見てみないとわからない。
実力があることは間違いないけれども、過去のツケを解消することができるかどうかは未知の領域に入るからである。
また伏魔殿側が固定化した設定を頑固に押し付けてくるので、それを打破することができるかどうかの問題も控えている。
その難題は仕組み全体に及んでいるものであり、実力者を立てて取り組む佐田方式の大問題でもある。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。