十二巡目の一
ナポレオンはバンパイア組織のほうへ、アメリアはマフィアの親元へとそれぞれ帰っていったが、そこから激しい敵対行為をし始めた。
それに対して仕組みがらみの処罰も激しく行われていった。裏切り行為が目に余るということで、今まで辛抱していたものがあふれかえらんばかりであった。
アメリアは親元の大きな建物をぶち壊してしまうほど暴れまくっているが、まともになろうとしているらしい。
五十体にバラされた身体を元に戻すために、こちらにからんでくるのでその指示をすると、今度は素直に言うことを聞く。
マフィアの元に帰るのは嫌らしいし、親も出てもらいたがっている。
こちらとの調整も穏便に進んでいるため争いたくはないらしく、ぶち壊された家屋もアメリアがやったことなので、どうにもならないわけだしで。
外から見ていると佐田がどれだけ面倒を見ているかがよくわかるので、何で逆らったり裏切ったりするんだ、と教えている。
「パパはそう言うけど‥‥」「パパじゃない」「パパだと思っていた」そんなドタバタを演じながらアメリアは元に戻っていった。
https://blog.goo.ne.jp/saday567/e/1792062a061ca6205d2e2ac6a66b0df2
十二巡目の二
一体に戻ったアメリアは、佐田の公共私有地に帰ろうとしたけれども、裏切って暴れた手前帰れないと言う。
テントの家は境界線の外に出してはあるがまだそのままになっていると言うと、それなら行ってみると言って恐る恐る出向いていった。
しかし中に入ってもナポレオンがいないのでどうにもならないし、自分もまだ正常ではなくて乱れるので、どうしたらいいかと聞いてくる。
それなら神社へ行きなさい、そこには佐田宇宙の担当者がいるから、と言うとそちらに入っていったが、入ったとたんにテントは焼け焦げてしまったという。
せっかく買い集めた家財道具も焼けてしまったということだったが、潜在的には残っているということで、それを集めてアメリアは自分のもとに小さくまとめて大事にしまっておくのだった。
ナポレオンは五百体にバラされてバンパイアになっていたが、五百個の素材がアメリアの周りをうろついている。
最初はそれがナポレオンのかけらだということがわからなかったけれども、アメリアのことが気がかりで、彼女の周りに寄り添っていたらしい。
しかし彼は佐田のもとでのみじめな生活が気に入らないといって、豪華なバンパイア生活をしようとしていた。
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十二巡目の三
ナポレオンは、ぶすのアメリアよりも華やかなバンパイアの女のほうがいい、などと贅沢なことを言っていたが、アメリアのことが気になるらしく、まともになろうとはしていた。
しかし五十体までが限度で、それ以上には戻れないでウロウロしていた。
この段階ではこちらの言うことを聞かなかったので、結局エリゼ宮から元のバスチーユの牢獄へと戻されることになった。
以前佐田がそこから出したことになっていたからである。
バスチーユでは鼠が襲ってくるということで、それを嫌がって正常化し始めたが、そこを出ても宇宙監獄に入るしか道はなく、またまた月の監獄に送られたのだった。
そしてそこから佐田の流刑地へ、そして佐田の奴隷監獄へ、さらには佐田の奴隷領域へと上がっていって、佐田の公共私有地に戻ってきたのは六月十二日のことだった。
そこからまた四十九日行に戻ることになっていったのではあるが、それにはまだ足りないものがあるということで、仕組みの公式行事である色地獄宇宙で、佐田に対する負債を払わなくてはならなかった。
そして佐田王街宇宙という高級ダッチドールの世界に、アメリアと一緒に送られていったのだった。
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十二巡目の四
色地獄ベースの旧体制宇宙では、超高級色の強い佐田王街へ行くことは恵まれていることとされており、色地獄で狂っているわけでもない二人が送り込まれたことに関しては、贅沢だという怨嗟の声が強かった。
こちらとしては歪んだ二人の過去の調整をしてもらうつもりだったのであるが、必ずしもそうした結果が出たわけでもなく、二分ほどで終わる特別宇宙とそのあと六時間の宴会を終えて帰ってきても、納得しているようには思えなかった。
ナポレオンは別としても、アメリアは意外にも男遊びなどしたくないと言って苦しんでいる始末で、佐田に対する負債を返したことになっていくらか楽にはなっていても、ナポレオンとの新生活が穢れるという感じで嫌がっていた。
彼女はマフィアの元で生きていた頃、結婚はしていなかったが男がいなかったわけではないらしかった。
しかし常に一人を相手にすることしかしなかったのだという。ましてや身を売るなどということには耐えられないようだった。
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十二巡目の五
翌日の六月十三日(三十日目)は、仏界の神に会うということで朝の九時にナポレオンたちは出かけていった。
上の仏界には以前行っていたが、剣術ばかりしていて満足な異次元探訪になってはいなかったということで、今度はもっとしっかり確認しようという意図があったのだろう。
彼のミタマのレベルが九合目に上がっていたので、各界の神々との接触をしておく必要があったのかもしれない。別の導師方の考え方のようであった。
太陽系の仏界は仕組みで宇宙が崩壊したあとは、太陽の周辺に同心円的な星としてセットされているということになっていた。
今まではそのことにほとんど疑問を挟まないできたのであるが、今回は改めて確認する気になって聞いてみたところ、はっきりしないのだという。
おそらく宇宙は再構成されていて、以前の形が復元されているのではないかという気がしたので、その確認をとってもらおうとしつこくたずねると、どうやらこちらの言うことが正しいらしい。
調査団もそこらあたりの確認をしたくて、再探訪させていたのではないかと思われるのであるが、それぐらいの曖昧な確認しかできないのだった。
まともな仏界はそれなりにあるし、新世界の仏界神もしっかりした存在としてあるのであるが、宇宙の位置付けに関しては今ひとつはっきりしないのだった。
http://sadayasuharu.blogspot.com/2018/06/e12.html
十二巡目の六
仏界から帰ってきたナポレオンとアメリアには、宇宙レベルでの負債がたくさんあることが少しずつわかってきていたので、それを返すために佐田王街で年季働きの続きをしてもらうことになっていた。
一度や二度では返済しきれない量なので、とにかく一段落つくまではやってもらうしかないのだった。
なぜなら佐田が過去から身代わりで返済し続けてきていたものだったからである。二度目を終えて帰ってきた二人は苦しんでいた。
一度目もきつかったということであったが、とにかく宴会も楽しくないということだったので、そのまま拠点に引き取ることになった。
それでも二人は納得しているようには思えなかったが、アーサー王クラスでも未だに行き来しているほど、この仕組み宇宙は歪んでいるし、我々の物質現実世界も色地獄化していく流れの中では、その課題は必修であるように思われた。だからこちらも強行せざるをえなかったのである。
佐田の公共私有地に帰ってきても内側にも入れてもらえず、行くところもない二人にしてみれば、とにかく負債を返さなくてはならず、バンパイアとかマフィアでは毛嫌いされるだけなので、こちらとしても何とかしなくてはならなかったのである。
仕組み的に重要な何かがあるように思われるからであった。
https://plaza.rakuten.co.jp/saday123/diary/201806210000/
十二巡目の七
六月十四日(三十一日目)は霊界の神々に会いに出かけることとなった。
以前に水星から太陽霊界へと行っていたはずであるが、とにかく剣術ばかりしていて満足な探訪になっていなかったので、仏界同様改めてということであった。
朝九時の出発ということであったが、仏界同様太陽周辺ということではなくなっているようだった。
霊界の星はハルマゲドン以降に正常化していて、一神教レベルでもまともな生命進化がなされているはずだった。
少なくとも三分の一ほどはまともになり続けてはいるのであるが、この時も膨大な女ヘドロに巻き込まれて満足な探訪はできなかったようだった。
とにかくナポレオンは全て剣術で判断しようとするところがあるらしく、何かが歪んでしまうのだった。
そして帰ってきてからまた佐田王街へ行ってもらおうとしたのであるが、二人に拒絶されてしまった。
そのため拠点メンバーの資格を失って、佐田の公共私有地の拠点から追い出され、佐田の奴隷監獄へと送られてしまったのだった。