08.ナポレオン45日行

秘密儀軌ツアー26⑧ 2018/6/5~6/7

八巡目の一

木星関連での大掃除が終わったあと、かなり大変な作業であったこともあって、木星の特設領域でご苦労さん会が行なわれたのであったが、その宴会費は佐田に対するナポレオンの負債でまかなわれることになった。

 

三十分ほどの宴会であったが、旧体制側も一転して大喜びをし、満艦飾(旧体制の多重世界が最高度に輝く状態)並みの大祭典を催して祝うのであった。

 

午後一時二十分現地解散となったのであるが、皆がお土産つきで帰っていったようで、それぞれそれからの調整が大変なようだった。

 

ナポレオンは自分の中でオロチを育てていたが、頭が二本から三本に増えていたため、慌てて瞑想室へと飛び込んでいくといった按配であった。

 

そんな状況で四十九日の各界探訪などといっても、まともなものになることのほうが少なくて、先日佐田賞を受賞したジョンソンさんなども、怒り狂ってこちらに報告してくるといったハチャメチャなものであった。

 

仕組みの正統派に対する扱いがいかにお粗末でおぞましいものであるかが、そこからもうかがわれる。

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八巡目の二

木星が人類の仕組み関連で変化し続けてきたことは、常日頃の浄化行でそれなりに確認してきたことではあったが、改めて正式な調査隊が出かけても、そうした状態であることは驚きであった。

 

曖昧なままでとても満足できる確認作業ではないのであるが、しつこく突っ込んでも逆効果になるだけなので、次に進むことにするしかないのだった。

 

科学者関連の異次元の領域が天王星にあることは、以前から知らされていたことではあったが、科学者が落ちている幽冥界は、地球ではなく天王星であることの確認がやっとその時できたのだった。

 

木星にあった科学文明は既に過去のものとして廃墟扱いとなっており、旧体制のバーチャル(多重層)領域としての世界が隠されていることは確かであったが、それは本来の自然の世界ではないため、正統派の四十九日には組み込まれない扱いになっているのだった。

 

木星へ行ったナポレオン組にしても、そこから入れる色地獄とか堕落した化け物たちが住む世界、バンパイアとか、ゾンビとか、魔法界の化け物など、そうした特殊な生き物達が暮らしている衛星の方へと導かれる始末であった。

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八巡目の三

木星の過去の科学文明が天王星がらみになっていることの確認ができたので、次はそちらに向かってもらおうと思っていたのであるが、木星の後遺症がひどくてそれどころではない展開となっていった。

 

木星は現在では旧体制のバーチャル宇宙の本拠地にされてしまっているようで、まともな太陽系の星ではなくなってしまっている。

 

しかしここはまだレベルが高いほうで、穴が開いている衛星クラスになると、次元の落ちたおぞましい色地獄の拠点にされてしまっている。

 

だから仕組みメンバーはそちらとのかかわりが持てなくなり、そちらの領域の確認もほとんどできなくなってしまわざるをえない。

 

木星が旧体制のゴミ捨て場に拠点を置く二三才宇宙レベルのベースになっているらしいことは、あとになってわかってきたことであるが、廃墟無限の宇宙のゴミ袋のヘドロが大量に木星に沈み込んでいたので、それを掃除して帰ることになり、佐田を含めて三十分ほどかけて大掃除して帰ったのであったが、宴会のあとだったりしたこともあって中途半端だったようで、帰ってきてからが大変だった。

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八巡目の四

記述が前後していてわかりにくい内容になっているが、それはこちらにも問題があって、物質レベルの人間が異次元の四十九日行の導師になるなどということは、本来ありえないことで、まともに担当できるはずもない。

 

それでも総合先導役の権威とパワーがなくてはこなせないということで、こちらが参加させられているわけであったが、こちらにはこちらの物質レベルでの生活があるために、そちらをこなしている間にあちらに異変が起こってしまうのである。

 

その調整をしなくてはならない無理があって、事が前後してしまったという裏事情があるのである。

 

それはそれとして、木星から帰ってきたナポレオンの中でオロチが暴れまくるので、彼は慌てて瞑想室に駆け込んだのであるが、しばらくして出てきても浄化しきれなくて狂いまくっている。

 

仕方がないので木星へ出かけた者全員で白糸の滝に行って禊浄化をしたのだった。

 

地球レベルの参加者だけではなく、宇宙レベルの参加者にも影響が出ていたらしく、白糸の滝は宇宙に向かって三段階に拡大され、大浄化行が慣行されたのだった。それが木星がらみのお土産であった。

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八巡目の五

白糸の滝で皆が禊をし終わっても、ナポレオンは身体に違和感があるということで、五十回も入り続けている。

 

オロチが身体の中で大きくなっていくのだという。それで入り続けていたらしかったが、何か変なのでこちらでやめさせて様子を見ることにしたのだった。

 

拠点に帰って瞑想しても打開できないというので、佐田はナポレオンのセット女を呼び出すようにとの指示を出した。

 

単独では解決できないものを感じたからである。幸いなことに反応があって、セットの女性はシシリー島から出現したのであった。

 

老婆であったが、無限回帰の調整をするとナポレオンと同年代の二十三才になって、ナポレオンの前に出てきたのであった。

 

彼女はナポレオンとは同時代に生まれていたように思われるが、接触することなく生まれ変わり、昭和五十年代に死んで、今まで時間待ちをしていたらしい。

 

彼女がメデューサであることの確認をすることと、姉さん女房のキクリヒメであることの確認をすることで、こちらの調査は終わり、あとは皆で調整してもらうことになった。

 

五百名ほどで夕食と懇談会が行われ、二十時五十分に解散となったとのことだった。

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八巡目の六

ナポレオンのセット女はアマンダと名乗ったが、それは妨害操作の偽情報で、のちにアメリアと訂正された。

 

そして彼女はシシリー島のマフィアの首領の私生児であったとのことであった。彼女をナポレオンのセット女として引き取ることに関しては、そちらとの交渉が必要であった。

 

まともな子供ではないので手放すことに不満はないが、条件があるというのであった。お金ですむことならいくらでも、と交渉すると簡単に事は成立した。

 

問題はナポレオンのほうにもあって、あちこちで融通した女がらみの膨大な金のツケが残っているという。

 

それに関してもこちらが立て替えておくということで、事はかなり楽に進行していった。もちろんピレネーやエトナ山からの働きかけがあったからでもあるが。

 

佐田がナポレオンのセット女を呼んだのは、取り付いている魔物に対処するには、セット調整するほうが早いと感じたからである。

 

そして呼び出してみると、こちらの思惑以上の設定となっていた。彼女も魔物の固まりだったからである。

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八巡目の七

その夜の二人の契りはすさまじいものであったらしい。朝起きてから、アマンダが起き上がれないほど疲れている、こんなことは初めてだと満足しているように言うので、ナポレオンとの親和力がずば抜けていることが知れるのであった。

 

それでとりあえずのセット調整は成功したのであるが、それに伴って二人の結婚話が急浮上し進行していったのであった。

 

さっさとやってしまったほうがいいように思われたので、佐田が別荘へ出かける六月六日に、富士山の御殿場の浅間神社でということになった。

 

赤城山やエトナ山の仕組みの戦士方のお立ち会い、佐田がナポレオンの親代わり、マフィアの首領方にも参列してもらって、ということになって足早に進んでいった。

 

コルシカ島にはナポレオンの親族方がおられるようであったが、相手が相手だけにへっぴり腰なので、こちらで先導させてもらったのだった。

 

マフィアのボスがらみの悪どいあばずれ、アメリアたっての願いだったので、周りも反対しきれないようだった。

彼女は大学まで出ていたが、素行はおぞましいもので結婚相手がいなかったらしい。

 

そんな悪女をナポレオンが受け入れるのかどうかについては、相性が良いことは比類のないものらしく、大満足しているとのこと。かっての女達は皆金のためであって、まともな関係ではなかったらしい。

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