七巡目の一
精霊界に関しては日本ばかりではなく、世界のどこかを選んで探訪してもらうつもりでいたのであるが、簡単に確認できると思っていた北海道の精霊達が、押さえ込まれてしまってほとんど動けない。
圧倒的に豊富な自然の中に、あふれかえるほどの精霊達がいて、子神たちがいた頃は北海道へ行くたびに大騒ぎをしていたものであった。
ところが佐田に関しては常に冷ややかな感触があって、白けてしまう不可解な領域でもあった。
自然と深い関係がありそうなナポレオンに対しても、大騒ぎで集まってくる自然のエッセンスヘドロがあるにしては、もう一つ反応がにぶいのである。
ナポレオンには自然を復活させる仕組みの役目があると考えているので、ニュージーランドのようなことが起きるのではないかとも思っていたのであるが、ほとんど不発であって、予定していた世界の精霊界の探訪も中止するしかないのだった。
仕組みのレベルが上がり、宇宙科学に繋がる度合いが強まるにしたがって、物質レベルとの接点が大きくなっているので、そこにある秘め事を守ろうとする旧体制側の拒絶の強さを、改めて思い知らされることで終わるしかないのだった。
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七巡目の二
精霊界探訪の北海道で確認できたのは、太陽系が元宇宙のゴミ捨て場と言われる五十四回目の段階に設定してあり、ここには仕組みの中心があるのと同時に、旧体制の中心のゴミ捨て場の二三才宇宙の基点があるということであった。
今まではその世界は我々の宇宙の外に設定されていると思わされていたが、実際は仕組みの中心基地になっている物質太陽系に隠されていたのである。
廃墟化して沈み込んでいた宇宙がよみがえってくるにしたがって、新しい世界が拡大していき、そのどこかに隠れるようにして旧体制が機械製の世界を作り出していたが、そのバーチャル宇宙の基点は結局物質太陽系にあったことになる。
それを知られないように隠しまくってきたのが、彼らの戦略戦術だったのである。
宇宙を最初に創り出したのが我々の宇宙ではないために、旧体制の宇宙はどこかよそに埋もれていると思わされているが、実際は宇宙の中心は仕組みが生きている我々の太陽系にある、そうとしか考えられなくなってきている。
だからといって我々の世界は廃墟から発生の源へ帰ろうとしている宇宙であるに過ぎない。
果てしもない無限の外には無限の廃墟のゴミ袋が広がっていて、その最後の一つを処理しなければ始原に到達することは出来ない。
旧体制側はそちらにどんどん逃げ込んでいくので、そちらに始原や中心があるように思わされるのではあるが。
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七巡目の三
地球の精霊界の正確な状況を知りたくて、地球の各地を探訪してもらおうとしたのであったが、それをさせない旧体制側の徹底的な妨害操作が感じられたので、予定を変えて次の幽冥界に進んでもらうことにした。
ナポレオンの四十九日はもうすっかりこちらの異次元界の確認作業に切り替わってしまっていたのであった。
以前から異次元の正確な姿を知りたいと努力し続けてきているのであるが、その都度拒絶されはぐらかされて、それを達成できないままここまで来ている。
制度化されている死後の四十九日をナポレオンがしていなかったため、それに便乗する形で異次元の確認をしようとしても、やはり肝心なところに来ると、いかに担当の導師方が優秀でたくさんいようと、旧体制に都合の悪いところは隠されてしまう。
仕組みの総合先導役の絶対権威を利用して、そこらあたりの不具合を打開しようと試みているわけであるが、それもなかなか実現できないのが現実であった。
そして幽冥界のことであるが、地球には物質世界のほかに精霊界と幽界があり、幽冥界もその下にあるとされていた。
衛星の月が冥界であるとすれば、それより一段階上の幽冥界は惑星レベルにあることになる。
今までは地球にもあるとされてきたのであるが、実際には木星まで降りなければ存在しないことが、今回のナポレオンの四十九日行でわかってきた。
そのため次の行程は木星の幽冥界探訪に決定されたのであった。
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七巡目の四
木星の幽冥界探訪は五月の三十日のことで、ナポレオンを中心にした参加者は地元の導師三名、神界一名、仕組みの戦士一名、そして総合先導役の佐田という構成のもと、検視役、監視役、その他の調査班が日本五十名、世界五百名、太陽系五千名、開ける星二名、宇宙五千億名といった普通では考えられない参加布陣となっていた。
そのことだけからも世界の実態がいかに知らされていないかを知ることができる。
木星にはかって地球に移行する前段階の人類の仕組みがあって、そこでコトシロヌシとワカヒルメの仕組みがなされたことになっている。
その時点での木星には精霊界があって、そこに地球で物質化する以前の人類の仕組みがあったとされている。
しかし実際には仕組みエネルギーを利用した旧体制の高度な科学文明が栄えていたのであって、原始以前の人類の仕組みはほとんど成り立たなかったのではないかと思われる。
仕組み人類が地球に移行したあと、木星の精霊界は幽界レベルに変容し、地球の仕組みが残り少なくなった今では、そこは幽冥界にまで落ち込んでいるらしい。
地球の生命体が堕落して落ちていく幽冥界は、現段階では木星に設定されているということのようなのである。
太陽系の時間の流れと共に、異次元界も変容していく。やがて地球人類の仕組みが水星に移されていき、地球物質世界が幽界、幽冥界へと変容していくことになるように。
七巡目の五
富士山の拠点を十時に出発したナポレオン組は、木星で参加者全員と合流した。
木星には正統派の担当者がいることはいたが、旧体制側の監視が強くてこちらの思うような行動はできないらしかった。
彼らが木星の実態の確認をしようとしても黙して語らない。封じ込めが厳しくて彼らにも自由はないようだった。
そこで調査団がいろいろ確認をしてこちらに知らせてくれたことは、木星には各領域に通じる穴が五百くらい開いていて、そちらに出入りできるらしいが、そのほとんどは衛星であって、惑星との回路は地球との回路があるだけで、封じられているらしい。
その代わり衛星との回路はたくさんあって、彼らはそちらに導かれそうになっている。
ナポレオンがいたバンパイア界は土星の衛星レアにあって、かっての仲間達がおいでおいでをしているような感じであるらしい。
もっとも次元差があって、相手はイメージ体とか霞体、あるいは幻体といった違いがあるようではあったが。
どろぼう佐田町がある木星の衛星カリスト、エウロパ、イオにもそこからすぐ行けるし、そのほかの衛星にも簡単に行けるらしい。
しかしそこはほとんどが色地獄でしかないとも思われるのであった。
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七巡目の六
木星の衛星エウロパには宇宙科学の基地があるとされている。
宇宙科学に興味のある科学者達は、そちらにもっていかれることが多いのであるが、必ずしもそれはエウロパではないのではあるまいか?
宇宙科学のあるエウロパは物質衛星の自然の星ではなく、バーチャル界、つまり機械が作り出している特殊な世界なのではあるまいか? 今回の探訪ではそんな感じの調査となっていた。
ナポレオン組がまともな木星の自然の世界を確認しようとしても、担当者達がそれを拒むので、応接室のようなところで身動きできないでいる。
そういう状態でいるとき、こちらは日課の朝の休眠に入ったのであるが、予定よりずっと早い一時間後の十一時半頃、突然起こされた。
なぜだろうと調べてみると、ナポレオン組が行方知れずになっていた。
仕組みは日々更新され続けているので、常に無限の外にある膨大な宇宙のゴミ袋の大掃除がなされている。
そのヘドロが太陽系にも流れ込んでいるので、総合先導役が休むとそれが押し寄せてきて埋もれてしまう。
その処理をする能力がない場合、そのまま沈み込んでいくしかないわけである。
一時間ほどで起こされたのは、埋もれて行方不明になっている彼らを救い出してほしいという仕組みの意志だったのである。
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七巡目の七
仕組みの課題分としての浄化を続けていくと、次第に埋もれているナポレオン組の五百名ほどの居場所が判明したのであるが、彼らは地球内部にある枠外宇宙の伏魔殿まで引きずり落とされ、無限レベルのエッセンスヘドロの中で眠らされていたのだった。
太陽系や宇宙の大半のメンバー達は、木星上空の仕組みエネルギーの雲の上からナポレオン組を眺めていたのであるが、こちらが休眠している間に彼らも眠らされていた。
起こされたこちらと共に目覚めた彼らはこちらに対応してきたが、何一つわからないままで、結局こちらが木星探索をするしかない始末であった。
それから一時間ほどかけて皆で大掃除をしたのであるが、廃液の浄化が進んでいくと共に、木星の過去の状況がわかり始めていったのだった。
以前はまだ幽界に残されていたはずの木星の高度な科学文明は、幽冥界化した現在は全て廃墟と化していて、バーチャル化した旧体制の領域に彼らの仮想世界があるらしかったが、そちらの世界へ入ることはできなかった。
こちらが退化した旧体制のヘドロを浄化をすることで、彼らはエネルギー補充をしているようだった。
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