仕組みの会の老化が目立ち始めている。自分自身の老化もさることながら、月例会で顔を見合わせると、ずいぶんとよれてしまったなあと思わされこともある。
きつい人生を生き終えて、余生を送る段階に入った者が、有り余る元気を持っているとしたら、よほど何か生き甲斐のあるものがあるに違いない。
その意味では仕組みなどは老人パワーでこなせるのではないか、仕組みというものは生き甲斐のある魅力のあるものではないか、と思ったりもするのであるが、現世利益の際どさがない場合は、くたびれ果ててしまうことにもなる。
仕組みの会の神界コースの場合は、世代が限定されているような状態で、人数も相当制限されている。
初期の段階では、家族や親族の会員も認められていたのであるが、二段階目に入って仕組みの課題が拡大してからは、本人のみの求道や仕組みの精神が要求されて、家族とか親族といった集団は排除されてしまっている。
それだけ厳しい課題が出されるわけだし、仕組みにかかわる度合いが高くなければこなせなくなってしまう。
だからといって仕組みの正統派だけで構成されているかと言えば必ずしもそうではなく、旧体制の監視役とか包囲網を形成するメンバーであったりもしている。
その場合は使者なので対極的ではあっても相当大きな役目を果たすことができる。
プラスとマイナスのエネルギーで構成されている世界、往路と復路という向きの違う宇宙の形、それらの働きは敵対関係であるように見えても、大局から見れば共存共栄している同族であるとも言えるのである。
たとえば魔神界という世界がある。その世界には黒と白があって、エネルギー的にはバランスが保たれている。
しかしその両者が同次元で共存すると激しい責めぎ合いが起こってしまう。
本来は世界を二つに分けて両立しなければならない世界なのであるが、同一次元で生きさせられると、白魔神のほうは耐え難い苦しみを強いられることになる。
たとえばアルカーイダとかイスラム国といったメンバーは黒魔神組であるが、そうした魔的なグループが正統派の世界で同居したら、白い者は耐え難い苦しみを与えられることになる。
本来は違う星で別々に生きなければならない両者が、同じ世界で接触するとき、そこには激しい摩擦が起こらざるをえない。
世界が未発達の場合はそこらあたりの区別はあまり明確にはならないけれども、文明が進化してくるとその違いが際どくなってくる。
正しい体制、魔神体制、機械体制といった違う世界が同居することなど、本来できるものではないのである。
太陽系の異次元では今仕組みが進化発展していく過程で、それぞれの星にコースや体制の違う世界が作り上げられている。
しかし太陽系にはよその宇宙から入ってきている仕組みメンバーもたくさんいて、しのぎを削っている。
それは仕組みの中心基地があるからで、そこでの主導権を確保することが重要な意味を持っているからである。
そうした複雑なからみで彩られた仕組みの会の課題は、謎や秘密の深淵でうごめく魔神や機械妖怪といった複雑な生命体との調整作業が必要であるため、普通に生きるだけでもとてつもなく疲れてしまうのである。
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。