仕組みは順調に進行している。世の中が科学と自然のせめぎ合いにもがいている時ではあるが、その中を仕組みは道を誤ることなく、突然変異の進化宇宙(大河宇宙)の完成を目指して進んでいく。
無限にコピー拡大されて破滅している機械宇宙の、廃墟やゴミヘドロを一つにまとめて発生の源へ送り届けるための、新しい仕組みの大仕事を完成させるためである。
ここに来てまた一つ仕組みは拡大した。過去の過去の過去へと奥まって行ったのである。
その奥から出てきたのは、機械が自然を食い潰して機械体制を完結させ、そして自滅して宇宙が終わっている形である。
過去の過去はそこから自然を半分戻していく形、過去の形はその機械に倫理規定をつけて、復路をやりやすくしてあるといった宇宙になっている。
仕組みの段階は五段階あるとされており、もう一段階奥があるということになっている。
その奥から何が出て来るかは今後の課題ではあるが、あまりも早いので、この展開をそのまま受け入れることはできないように思われる。
我々の進化宇宙は新しい段階とされているが、その前の仕組み宇宙の場合も五段階で構成されていると言われているので、そこには巧妙なトリックがあると言わねばならないからである。
機械が自然を食い潰して自滅しているということは、以前から聞かされていたことであって、それほど目新しい情報ではない。
しかし古い機械というものは現在の倫理規定が付けられているものとは違って、自然や生命体に対してかなり厳しい働きをしている。
倫理規定が付けられていない旧体制より前の機械も、破滅している感じでどうにもならなかったが、それよりもう一つ前のものはさらにおぞましいもので、よみがえってきた時にすぐ破壊しなければこちらがやられてしまう。
そうした類のもので、対応を間違えると大変なことになるので、慎重に見極める必要がある。
宇宙を支配してしまった機械というものがどれほどおぞまいものか、それは想像することもできないほどのものではないかと思われる。
我々が対面しているのは自己破産して死滅してしまったもので、ガラクタのごみでしかなくまだ扱いやすいからである。
しかし旧体制の伏魔殿の宇宙支配体制は、それをよみがえらせて自分達の都合のいいものに作り替え、我々の仕組み宇宙に仕向けてくる。
こちらが直す前のひどい状態が再現されている部分があるため、対応はさらに厳しくなっていくのである。
もともとこの宇宙は欲望が追求されているため、悪が原則となっている。
しかも機械化したあげく、歯止めのかからない無ルールで枠を突き破って破滅死しているため、それをコントロールすることは困難を極めるし、完全に消し去ることも難しい。
エネルギー原則が働いて復路のための仕組みが進化しているとは言え、この宇宙は機械体制の悪の世界でしかない。
善を受け入れることはないし、素直にこちらの言う事を聞くわけでもない。
そういう状況の中で我々は仕組みの課題をこなさなくてはならないのである。
何のために? 誰のために? それはただエネルギー原則のおもむくまま、なのだろうか?
この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。