中国の金柑と同様に忍野の宿舎に滞在して、様子を見てはどうかと聞くと、汚くてとても駄目だとこちらの担当者たちが言う。
つまりレベルが低過ぎるらしいのである。五百年もの間牢獄でダッチドール扱いをされるだけだったことを考えると、いくら聖女にされても癒されるどころではなかったらしい。
佐田の奴隷領域でも高過ぎるので、流刑1地で扱うしかないということになったのであるが、特別扱いを要求している感じなので、生活費を払ってもらわなくてはならないということの説得からしなくてはならなかった。
彼女は働いて生活費を確保しなくてはならないことすらわからなかった。オルレアンの奇跡の乙女として特別扱いをされたため、生活の心配などする必要がなかったのである。あとは牢屋暮らしであったわけだし。
それで何事に関してもお金がなくてはできないことをわからせなくてはならなかった。
その日の食事代はどうするのか、部屋代はどうするのか、そのほか日常生活での必需品はどうするのか、それらにはすべて費用がかかるので、流刑地で労働してもらうしかない。
なぜそういうことになるのかというと、佐田に対する仕組みの負債が溜まりに溜まっていたからである。
それを返さなければ仕組みの課題などこなせるはずもない。でなければ佐田の奴隷になるしかないわけである。
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