国家には守護神があるのであるが、フランスではそれを国を象徴とする女性像に作り変えている。
その元には神があると思われるが、時代的に変化しつつ、現代ではその時を代表する女性が選ばれて、あちこちにその胸像が置かれているのだという。
たとえばブリジット・バルドーとか、カトリーヌ・ドヌーブ、あるいはソフィー・マルソーといった女優とか歌手といった女性たちである。
昔のマリアンヌ像が祭られているノートルダム寺院は、ナポレオンがピレネーのアネト山で四十九日行をしたときに焼けたけれども、焼けなかった大聖堂のほうにジャンヌの像は立てられているとのことである。
フランスを象徴するマリアンヌ、つまりキリスト教的には聖母マリアのアマテラスと、アネト山のアネト大神とは関連がある。
アネトはエジプト神話のアマテラス、つまりワカヒルメのマリアンヌなのである。フランス革命の立役者でもあったナポレオンとマリアンヌ、そこには仕組み的な何かがあるとしか思えない。
ジャンヌはスセリヒメ系であるけれども、アマテラスが被さっている。
つまり表面的にはマリアンヌなのである。しかしマリアンヌにはヨーロッパの守護神ヒツジヒメ大神が重なっている。ヒツジヒメはギリシャ・ローマ神話的にはアフロディーテ、愛の女神である。
フランスがマリアンヌとしてキリスト教の聖母マリアを隠しているのは、宗教の自由を建前としているからかもしれない。
その立場からすると、キリスト教だけのマリアにするわけにはいかなくなる。だからどこから見ても受け入れられる形にしてあると考えることもできる。
そしてその陰にはフランスの守護神スセリヒメが埋められているのである。
そのことはともかく、ジャンヌにはその三つの系統が重なっており、表面的にはその本体が何なのかよくわからない。
フランス的にはマリアンヌは自由・平等・博愛の象徴とされていて、三名の女性神が重ねられている。
自由はアマテラス(ワカヒルメ)、平等はスセリヒメ、博愛はヒツジヒメということになる。もっともそれは仕組み潰しの形でしかないように思われるのだれども。
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