15.始皇帝と金期気

始皇帝と金期気(きんごき) 9

天命の持ち主金期気が、神官の父親に伴われて始皇帝のもとに出向いたのは、二十三才の時であったという。

始皇帝の元には徐福がおり、李斯がおり、韓非もいた。

 

仕組みのために東海の蓬莱山に出向かなくてはならないことは、セット夫の始皇帝には知らされており、そのために徐福を日本に送り出すことまではなされた。

ところが始皇帝は中国を支配することに夢中になってしまって、天命を無視し続けた。

徐福や神官のたっての催促を無視し続けて、最後には仙人になるとまで宣告して狂いまわったのは、伏魔殿の使者であった李斯の鵺操作によるものであったろう。

 

そして三才年上の始皇帝が五十才で死んだ時、日本行きは終了となったのだった。

それまで天命のために修業し続けていた金期気は、怨念の鬼子母神となって落ちていったのだった。

そうした背景の確認をしていた頃、孔子が降りてきた。

五月十五日のことであった。

 

それまで佐田の指示を受け入れて最上界まで上がりはしたものの、それ以上先へは行かず、ずっと中国を見下ろしていたのであったが、天命が動き出すのを確認して降りてきたのだった。

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