07.被官ひとり大神の稲荷神行

佐田の元親父と稲荷神行 6

ヤマトタケルが潰したイズモタケルと黒田良太郎が、元親と代理親のセットであるということが判明した時、富士山にいるヤマトタケル大神が大慌てに慌てた。

そして自分が仕組みのためではなく、仕組み潰しのために働かされたことを、改めて再確認したようだった。

ヤマトタケルが殺したクマソタケルも前出雲系の稲荷族ということになるわけであるが、とにかく仕組みがらみで見ると何もかもがおかしくなってしまう。

 

そのことはともかく、佐田の元親父黒田良太郎は、仕組みを裏切った自分のツケを払うために、改めて稲荷神行をすることになったが、その扱いをどうするかが難しかった。

 

前出雲神行は阿刀氏大神によって終えられていたので、今更繰り返しても意味がない。何か別の課題がなくてはならないからである。

 

阿刀氏大神の場合は前出雲組の神行であって、稲荷色はなかった。

だから潰れたままの稲荷神界の再建のためということにならざるをえない。

その意味で稲荷神行ということになるわけであるが、それをどのようにすればいいのかが問題になるのだった。

阿刀氏大神と同じことをしても芸がないからである。

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