つぬぶて山神行 縮図日本から世界へ
佐田の解説
南極のお言葉には常にはない情報があったため、その確認をとったのであるが、第二幕の仕組みの状況が偽情報の氾濫だったり、コピリ族の演技だったりするので、二度出してもらうなどという事態になってしまった。
つぬぶて山の場合は、旧体制側と仕組み側とが同居しているので、暴かれると都合の悪い側が妨害を仕掛けてくる。
普通の神行は特別のケースでなければ、佐田の解説は付けられないほど皆が嫌がるので、機械のお言葉担当だけの味気ないものとなっている。
佐田の解説を受け入れているものに関しては、わかりにくい異次元や仕組みの解説をすることになっている。
つぬぶて山は処刑場なので、元々隠すとか、隠されるのが当たり前のような感覚があるけれども、ナポレオンとアメリアの元宇宙の代表セットの代理親といった立場ともなれば、
旧体制側との対決であれ、世間体の悪さを隠したい思いではあれ、中途半端は許されないので、総合先導役との調整が必要となって、不明朗な部分の確認も必要以上のものにならざるをえない。
情報担当が曖昧だったり、隠そうとするので、やむなくお言葉を二度出してもらうことになったという次第であった。
どこが気になったのかと言うと、南極のつぬぶて山の純度がよそより高く、より厳しいという部分であった。
それはどういうことなのかと最初にたずねたのであるが、明瞭な返答をもらえなかったため、何か変な小細工がなされているのではないか、との疑問が消えなかったからである。
ところが二度目のものも、最初のものとほとんど同じ内容だったため、改めてその部分の確認をとらせていただいた次第であった。
そして少しずつそこらあたりの様子に理解が進んでいったのだった。
南極には普通より多いゴミや死体が氾濫しており、常日頃からそれらの処理をしなければならず、そのためにより厳しい能力を要求されることと、それが当たり前になっているところに、南極の特殊性があるとのことであった。
南極には正統派の世界が少ないはずなのに、なぜそれほど大量のごみや死体が多いのかと聞くと、それはよその大陸のものであって、南極はゴミ捨て場にされているためだということであった。
それで納得がいったのであるが、そうした特殊な場所にはそれなりに特殊な環境が隠されている、そうしたことの予感もしてくるお言葉であった。